前の記事は、近くに住む散髪屋のシゲちゃんのユーモラスな会話を書いたつもりだった。

ところが、読者の皆さんは、方言の方にどうやら興味が引かれたみたいである。


タイトルの「ボ・ナァンド・ビー」は、フランス語的に、鼻から音を貫くように、声に出して読んでいただきたい。

高級なフランス料理でも、思い浮かべていただいただろうか。


私の住む地域では、男の子のことを「ボン」と言う。

そして、女の子のことを「ビィー」と言うのである。

「ボ・ナァンド・ビー」は、「ボン・アンド・ビー」…

「ボンとビー」、つまりは「男の子と女の子」のことになる。


もちろん、地元ではこんな洒落た使い方をする人は、誰一人としていない。

「アンタんとこ、孫が生まれたち聞いたけんど、ボンかい? ビーかい?」

と、この使い方が通常の使い方である。


実は、「ボン・アンド・ビー」は、地元の造り酒屋が、キウイで作ったワインにつけた銘柄である。

私は個人的に、このネーミングが気に入っていた。

そして、わざとフランス語風に鼻音にして、「ボ・ナァンド・ビー」とやっていたのだが…

残念ながら中身のキウイワイン自体が不評で、この名前も広まらないままなのだ。


ところで、島津藩ではよそ者をすぐに見分けるために、地域しか使えない言葉をわざと使っていたという。

それが、現在に残る、癖の強い鹿児島弁である。

方言を真似るのは難しいが、特にこの鹿児島弁は聞き取ることも喋ることも簡単にできない。


東京などの県外で、その特別なイントーネーションと言葉で、同郷であることがすぐ分かると、鹿児島の友達が言っていた。


その点、小藩分立のわが大分県では、お殿様がコロコロ変わるからか、他地区の文化を抵抗もなく受け入れていた節がある。

また、瀬戸内海の海上交通が栄えていて、関西や中国四国の文化にかなり影響されているようにある。

言葉も、またしかりである。

時おり、岡山県や山口県、愛媛県の方言と、よく似ていてビックリすることがある。


話は変わるが、私の弟は大学からずっと東京での生活である。

大分県出身と聞くと、方言で話すのだそうである。

そして…

「『アドとズクが、痛ぇ~』っち、解かるかぇ?」

と試しに聞くのだそうだか、もうコレが解かる人は、かなり地域が狭まれると喜んでいた。


ちなみに、「アド」は踵(かかと)。

「ズク」は、頭のことなのだが…