連日、テレビの報道では、酒井法子の覚醒剤事件でかまびすしい。


酒井法子が結婚していたとか…

10歳の子供がいたとか…

夫婦仲が悪かったのかどうか…

夫には愛人らしき人がいたのかどうか…

そんなことは知らなかったし、私にとってはどうでもいいことである。

それより、清純派女優の覚醒剤使用が、青少年や社会一般に与える影響の方が心配である。


にもかかわらず、連日の放送で、今回の事件の真相とあまり関係ないことまで、根掘り葉掘り教えてくれる。


そんな中、酒井法子がレイブパーティでDJをやっていた時の姿も報道された。

「その姿があまりにノリノリで、

 パーティに来ている連中は、

 夫とともに覚醒剤をやってる…って

 みんな噂してたよぉ」

と、同じパーティに参加していたと言う人は、見透かしていたように喋っている。


ところで、レイブパーティって、何だ?

レイプ?

東京では、強姦パーティが公然と開催されている、とでも言うのか?

落ちぶれ行く日本もとうとうここまで来てしまったか…と、憂えてしまう。


ん?

レイプのプは、「フ」に「○」じゃなくって、「フ」に「’’」をしたプ、レイブなんだ…

へぇーっ!

レイブって、音楽っていう意味なのかぁ…

だったら、単純にディスコと言えんのか。

と、最新用語についていけない惨めさに、どこかに八つ当たりしたくなってしまう。


田舎のオイサンでも、その昔、府内町のビルの2階にあったディスコには、通ったことがあるのだ。

ジュリアナ東京に行ったことはなくとも、雰囲気ぐらいはわかるのである。


そして、音楽が鳴り響くレイブパーティでDJをやっている、酒井法子の映像を見た。

レシーバを首にかけ、上半身を大きく揺らして右手を突き立てている。

笑顔が、生き生きとしている。

会場の踊り子達に声をかけ、その場を盛り上げているだけじゃないのか。


えっ?

これって、こんな処じゃ、普通の姿じゃないのだろうか。


ハメを外し過ぎて、ノリノリで異常だという。

クスリのせいなのだろうか…と、解説されている。

レイブパーティと呼ばれるような場所で、ハンカチで口を軽く押え、リズムも取らずおしとやかに微笑んでいる女性の方が、ずっと気色悪いと思うのだが。

これくらいのノリで、覚醒剤常習者と思われてしまうのだ。


話は変わる。

私に、タンバリンかカスタネットを持たせたら、周りも巻き込んでノリノリの大宴会…となってしまうのは、私の周囲の酒飲み友達なら、みんな知っていることである。

楽器がなくとも、手拍子と口笛で、カラオケを歌っている人を、たちまちエンタティナーに仕上げてしまう。
どんなに音程が外れていても…である。


近所の味噌屋の四代目にいたっては、彼自身がエンタティナーなのだ。

ネクタイをハチマキ代わりに頭に巻き、シャツのボタンを外して、彼自身は完全にスターになりきる。

まるで、ジュリーか秀樹 (ちと、古過ぎるか…)になっているつもりなのである。

粋に歌って、踊って、場を盛り上げると最高潮になる。

会場に鯛の活き造りなんてあろうものなら、ダンス相手にして、その骨だけの鯛を抱えて踊るなんて、お茶の子さいさいである。


われわれの、レイブパーティも捨てたもんじゃないのだ。

この九州の田舎にあって、六本木にも、赤坂にも負けないノリノリの雰囲気となるのだ。


でも、その会場の片隅で…

そのハイテンションなノリノリ親父たちの姿を密やかに眺め、冷笑している人もいるのかもしれない…


「アイツらは、もうだいぶん前から、おかしかったんですよ。

 クスリの常習者じゃないかって、みんな疑ってたんですがね…」

と、後日知ったかぶりで、コメントするヤツも現れるかもしれない。



でも、心配には、およばないと思う。


私たちにとって、クスリとは…、

この地で生産された米を、この地に湧き出る清らかな地下水で、吟醸させた地酒か、

はたまた、この地で栽培されたムギやイモを、穏やかに発酵させた焼酎のことなのだから。