今日は、朝からスケジュールが詰まっていた。


昼からの会議が長引き、あわてて家にとって帰す。

夕刻、ちょっとした商談の後、夜は親友のお父上の通夜に参列する。
あわてて喪服に着替えて、飛び出す。


家内が走って追いかけてきた。

「はい。 命より大事なもの…」

手から携帯電話を渡す。


朝から夜まで、いや寝ている時でさえ、携帯電話を身から離さないことを家内は知っている。



ちょっとの間をおいて、言った。

「命より大事なもんは…
  あんたに決まっているでしょ。」


「いえ、携帯電話ですっ」


…………