体重計にのる。
………
まだ成長を続けているようだ。


昨夜、カード会の大抽選会があった。
片づけた後、数人で行きつけの居酒屋に立ち寄った。
ここの鶏のモモ肉の唐揚げは、格別に旨い。
モモカラを頬張りながら、しこたま飲んだビールと焼酎が、またお腹の脂肪と化したのか…


そう言えば、「夏痩せ」という言葉は死語になったような気がする。


かつての日本の夏は、本当に暑かった。
…と、思う。

だから、打ち水の上を渡る風が、冷たく感じたのに違いない。
ヨシズで一気に冷やされ風が、大きく開け放った座敷に入って、心地よく感じたのだと思う。


い草の香りの強いゴザに、タオルケットだけをのせて、暑い日中は大人も子どもも昼寝をしていた。
目覚めると、井戸に吊るして冷やしたスイカを切る。
冷やしソーメン、冷やっこが、夏の定番の料理だった。
井戸水の温度が、ずい分冷たく感じたものだった。

食欲旺盛のわれわれ子どもは別として、大人たちは水分の多い料理で脂肪分の多い食材はあまり摂らなかったのだろう。

秋になると…
「夏痩せした」というのが、亡くなった母の口癖だった。


いまや、適度に冷えた居間で、四季に関係ない料理を食する。
年がら年中、冷たいビールを飲む。

而して、夏痩せなどすることなく、まだ私の胴回りは成長を続けることになるのである。