K氏の話では…


別れた奥さんとの間にできた二人の子どもの長女が、白血病になり余命いくばくもないと宣告されたというのである。


別れた奥さんから、アナタの子どもでもある訳だから…
と連絡があったらしい。


もともと実直な男である。


その娘の病室に、ほとんど毎日のように通ったという。
病室には、二番目ののお父さんも、娘の病状を気づかっていて、よく一緒になったらしい。


最初は、警戒的で冷たい態度だった娘さんも、日を追う毎に実の父の愛を理解してくれた…
と、K氏は言っていた。

20年以上も、別れ別れの生活だったが、親子の気持ちがより戻ったのだろうか。



結局、娘さんは1年余りの闘病生活の後、亡くなった。


長い間、子ども達と別々の生活をしていたK氏は、とても心を痛めたに違いない。


娘さんにフィアンセがいて、白血病が発病しなければ、近々結婚していたことを知ると、自費で二人のためのお酒を創った。

と、言っても、もともと市販されている麦焼酎に、「由布の恋」というラベルを貼り、そのラベルに病死した娘の実らぬ恋の物語を書いて、知人に売ったのである。