最近の携帯の機能は、ますます発達して便利になっている。

でも、ありがた迷惑なのは、予測変換機能。
一文字からよく使う言葉を推測する、あれである。


東京に嫁いだ娘のために、スプリングコートを家内が買ってきた。
送ってやる前に、それを写メールで見せてやりたいと悪戦苦闘している。

でも、古い型の携帯なので、なかなか綺麗に写らないらしい。


代わりに私の携帯で写真を撮って、それを娘に送ってくれ、と頼まれる。



壁にぶら下げたコートの写真を、前からと背後からの写真を撮る。
それを、娘にメールで送ろうとする。


「お母さんから頼まれました。コートの写真です。」

と、打ち込もうとするのを、家内が横から覗き込む。


「お」と打つために、「あ」のキーを5回押す。


その度に、日頃頻繁に使用している言葉が羅列される…

「あ」
愛する…


「い」
一緒…

「う」
嘘…

「え」
エッチ…


いつ、何のために使った言葉なのか…


家内が見ていると思うからなのか…

「お」までたどり着くまでに、ドキッとする単語が目に飛び込む。


君子危うきに近寄らず…

これ以上メールを打ち続けてたら、ろくなことはない。


「おい、そんなに覗き込むとメール打ちにくいって…
 あとで、送っておくから。」

と、誤魔化しながら携帯電話をたたんだ。



文明の発展は、夫婦の危機に発展することにもなる…(笑)