大雪山系の頂の絶景の地を、アイヌ語で「カムイミンタラ」というのだそうだ。
「神々の遊ぶ庭」という意味だそうだ。
とある方のブログで知った。
決して登山など興味のない私だが、この大雪山系の旭岳に2回登ったことがある。
最初は、大学3年生の夏。
リュックを背負い北海道を旅行した。
JRの北海道周遊フリーパスを利用して、ユースホステルを泊まり歩きながらの1ヶ月の旅である。
一人旅に、札幌出身の友人が加わった頃だったとおもう。
層雲峡温泉にあるユースに泊まった翌朝、黒岳から大雪山を縦走した。
とは言え、ロープウェイを利用して黒岳山頂まで登るので、そう大したことはない。
ロープウェイを降りて、黒岳山頂に向かう登山道のえぞ松にはシマリスがいた。
黒岳から旭岳に到る縦走道は、視界を遮るものがなく、大雪山に残る根雪の白さと、真っ青な空と山肌の緑が眩しかった。
はるか遠くの山並みも見通せ、360度の大パノラマに感激したことは、その旅行の中でも最大の思い出である。
それから、28年後。
今から7年前の夏。
次男坊の通う高校のPTA会長として、旭川市で開催された全国高等学校PTA連合会北海道大会に参加していた。
同行していた校長は、生真面目な性格。
PTA会費の浄財での参加だから…と、旭川動物園にも、富良野のラベンダー園にも行こうとしない。
最終日の分科会が終了するや、手配したレンターカーに校長を無理やり乗せた。
大学時代の旭岳の感激を校長に伝え、旭岳の姿見の池まで行こうと誘う。
旭川市側からは、旭岳温泉から旭岳石室まで、ロープウェイがあった。
学生時代、このロープウェイに乗った記憶はまったくない。
ただ、山頂で時間を過ごしすぎて、暗くなり始めた下り坂を、不安な気持ちで滑るように降りてきたことだけは覚えているのだが。
夏休みの最中だったので、多くの登山客や観光客がいた。
校長と私は、スーツ姿に革靴。
明らかに場違いであったが、その日も空はどこまでも澄み切った最高の天気だった。
28年前と同じように、はるか彼方の山並みを遠望することができた。
足場の悪い姿見の池の散策道で、革靴はすっかり汚れてしまったが、高山植物を愛でながら…。
心洗われるような気持ちであった。
まさしくそこは、神々の遊ぶ庭にふさわしい所。
2回が2回とも好天だったからなおさらのことであろうが、大雪山系の山頂の思い出はまさしく天国そのもの。
あのような素晴らしい所ならば、神々の一員となるのも悪くないと思ったりもするのである。