♪夏も近づく八十八夜 トン♪ トン♪…
と、「茶摘」に唄われている日は、立春から八十八夜。
今年は5月2日がその日にあたる。
毎年、九州の茶処、嬉野の茶園からその新茶の香りが届く。
もう10年ほど前、インターネットを利用し始めた頃、
あるサイトのゴルフ愛好者の掲示板があった。
相手の素性のわからない掲示板を利用した弊害は、
今でこそ社会問題になっている。
しかし、その頃はまだのんびりしたものだった。
誹謗中傷がなかったわけではないが、
そういう書き込みをする人の方が他から敬遠される…
そんな自浄効果があった頃である。
その掲示板で最初に出会ったのは、札幌の友人だったと思う。
掲示板でのユーモラスな書き込みとはまったく別人の、
紳士で驚いてしまった。
その後、その掲示板を通して、全国に友だちができた。
その中の一人が、この茶園の主である。
知り合った頃は、40代前半。
バイタリティーのある、人懐っこい明るい人柄が印象的だった。
その後、二人して嬉野の夜を何度か飲み歩いたことがある。
彼の歌う「金太の大冒険」は天下一品。
ゴルフも嫌味のない明るく楽しいゴルフであるが、
お酒の席もまた、人柄どおり賑やかで楽しいものだった。
彼の友人が経営する嬉野温泉のあるホテルには、
嬉野茶の香りする露天風呂がある。
これも、彼のアイデアだと聞いた。
良質のお茶を作っているだけじゃダメだ。
地域の活性化をして、嬉野温泉や嬉野茶をもっと売り出したい。
と、並々ならぬ郷土愛から、市議会活動に数年前から取組んでいる。
商売(?)も熱心で、毎年送ってくる新茶と一緒に注文書と、
手造りの写真入のパンフレット(注文書)が同封されている。
かつては奥様と一緒に並んで笑っている写真が、
ほのぼのとして家族的な茶園であることを伺わせる。
でも、ここ数年、一人だけの顔写真が続き…
そして、今年は広大な茶園の写真だけのパンフレット。
奥様とのツーショットの写真がなくなった。
やっぱり…
男50を過ぎると、
女房とツーショットの写真を世間にばら撒く勇気は、
かなりの厚い面の皮が必要となるのだ…
それとも、女房とツーショットの写真をばら撒かずとも、
世間が二人を熟した夫婦と認められた証なのかもしれない。
初々しい夫婦写真は、初摘みの新茶の香りと同じなのだろう。
10年前のネットで始まった交友関係。
今年も新茶の初々しい香りとともに、あの頃の夫婦での写真と、
魅力的な人間味あふるる嬉野の友人のことを思い出した。