業界4社の会議は、不定期だが年5~6回程度開かれる。
不肖私めが代表を仰せつかっている。
今回の主要テーマは、新型インフルエンザ対策。
でも業界を取り巻く不況の方が新型インフルエンザより問題で、嘆きと愚痴のような話題で会議は終了した。

いつもは、地元で昼食を取りながら…が、この会議の慣例である。

が、D社の所長の希望で、今回は別府温泉泊まりがけとなった。
落ち込む数字に、本社からガミガミどやされて…連日気分が滅入るばかり。
パァ~っと賑やかに貧乏神を追い払い、景気づけをしようじゃないかと言うのだ。
他の2社も異存あるどころか乗り気である。

会議が終わって、宴会場に移動する。
宴会場は、宿の女将にあらかじめ頼んでおいた、海の見える掘り炬燵風の足を投げ出せる小部屋。
料理も活きのいい関サバを余分に付けているはず。

そして、行きつけのラウンジのママには、とびきり若くて可愛い女の子を宴会場に送り込むよう手配してあった。

小綺麗な木目調の廊下を進んで、奥まった部屋に行く。
部屋の前には、粋な着物姿と綺麗なドレス姿の女性が並んで…


全部で…

4人!!


え~~~~~

よ、ょ、4人???



リーダー格の着物姿が近づい来て、心配そうに言う。
「さっきママに確認して、今Qとんさんからママに送ったオーダーメールが転送して来たんだけど…」
と数日前に私が送った見覚えのあるメールを見せられた。


「……ホステスさんお願いします。4名です。よろしくお願いします………」


「4名です」の主語が抜けていた。
客の数だ。
完全に私のミス。


而して、新型インフルエンザと未曾有の不況対策のための暗い会議は、
上品な雰囲気の小部屋に、宿の美人女将を交え、
不況を微塵も感じさせぬオジさん4人と美女5人の、
一昔のバブル期を思わせる時代おくれの異様な賑かさの中の大宴会と変わったのである。