梅雨と思えない強い日差しが続く北部九州。
庭の水やりが省ける程度の夕立を望みたいけど、無理かな?
↑ いやいや、これはうちの庭じゃないですよ。
ここからは患者として免疫の基本的なことをザックリつかみたいな、とあくまでもざっくりな備忘録の続き。
備忘録 免疫編② スタート
ヒトの免疫は以下4つの機構が総合的に協同して働いている。
〇 生理的バリア…皮膚、粘膜などでの異物排除
〇 食細胞… 好中球,単球、マクロファージなどによる食作用を主とする異物排除
〇 細胞性免疫… T 細胞という免疫細胞自体が主となって異物排除
ヘルパーT/キラーT/制御性T細胞 の3種
異物が細胞内に入り込んだ感染細胞に対応する
CD4ヘルパーT細胞は指揮官
CD8キラーT細胞は正確にウイルス感染細胞やがん細胞を見定め直接攻撃・殺傷
免疫チェックポイント阻害剤など新しい治療法に応用される
リンパ球である
〇 液性免疫… B 細胞→形質細胞へと分化し産生された体液中の抗体(グロブリン)による
異物排除
細胞外の異物に対して働くので、細胞内に異物が入っても認識できない
抗体が血清中に溶解して存在する
自然免疫(非特異的免疫) |
獲得免疫(特異的免疫)
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細胞性免疫 |
マクロフアージ(単球) |
好中球 |
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Tリンパ球(T細胞) |
キラーT細胞 |
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ヘルパーT細胞 |
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NK細胞 |
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液性免疫 |
※ 補体 |
免疫グロブリン |
※一群のたんぱく質成分で
炎症開始など感染防御の働きをする
病原体感染で活性化されると細胞膜破壊、
脾摘と並び最も液性免疫不全にインパクトを与える治療は,何と言っても造血幹細胞移植です。 (途中略)造血幹細胞移植と液性免疫に関するポイントを3つだけ押えておきましょう。
1)造血幹細胞移植は前処置レジメン(conditioning regimen)である放射線の全身照射(total body irradiation;TBI)や大量化学療法により,脾機能低下および著しいB細胞低下が起きる6)。
2)液性免疫の回復まで1~2年要する7)。
3)慢性GvHD(graft-versus-host disease;移植片対宿主病)により高度の脾機能低下8)とB細胞低下9)が起きる。
つまり,造血幹細胞移植では順調に経過しても1~2年間は液性免疫低下状態にさらされますし,慢性GvHDが起きるとさらに液性免疫が低下してしまうのです。ちなみに,慢性GvHDは高度の液性免疫低下のみならず,バリアの破綻や高度の細胞性免疫低下(GvHDそのものと,治療による)をも引き起こすので,われわれ感染症科医にとっては大敵なのです。
好中球減少はドナーの選択や幹細胞のソースによって異なりますが,2~4週間で回復してきます。ただしリンパ球が回復するには数か月から数年必要とします。このことが細胞性免疫や液性免疫に大きな影響を与えるのです。
何事もなく順調に経過した場合には,まずCD8陽性T細胞やB細胞が回復し(②),その後CD4陽性T細胞が回復してきます(③)。ここで注意が必要なのは,B細胞はT細胞よりも先に回復するのですが,B細胞が多様性に富む抗体を産生し液性免疫を確立するにはT細胞の回復が必要不可欠なのです。
つまり,免疫機能としては,先に細胞性免疫が回復し,その後液性免疫の回復が見られることになります。順調に経過したとしても液性免疫が回復するには2年ほどかかるとされています2)。
※HSCT=造血幹細胞移植
図1 HSCT後の免疫担当細胞の回復について(文献1より改変)(クリックで拡大) |
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自分の体が移植した細胞を攻撃するのが拒絶反応
移植した細胞が自分の体を攻撃するのがGVHD = 移植片対宿主病(graft versus host disease)
拒絶反応は、患者の免疫細胞が、ドナー由来の移植片を異物と認識し、攻撃することによって起こり、GVHDは、ドナー由来の細胞が患者の体を他人と認識して起こす免疫反応
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以上、引用したい記事は多すぎるくらいまだまだあるけど、いったん免疫は終了ってことで。
きょうはこの辺で