今回は私が単独で南大東島に行った遠征についてブログにしようと思います。南大東島といえば固有種であるダイトウマメクワガタ、固有亜種のダイトウヒラタクワガタなどクワガタが有名であると思う。私は小さい頃図鑑で見て以来一度は見てみたいと思っていたので大学の春休みを利用していきたいと思っていた。南大東への交通手段は主に船と飛行機があり、いずれも那覇から行くことになるが、ネットでは船だと直前までスケジュールがわからず欠航も多いと書かれていたため今回は飛行機で行くこととした。那覇発の飛行機が片道約1万5千円、往復だと3万円…。痛い出費である。
ちなみに飛行機は那覇→南大東は8:00発8:55着と14:25発15:25着、南大東→那覇は9:25発10:35着と15:55発17:00着で、いずれもJALの琉球エアコミューターの、1日2便ずつのみである。
さて、突然だが私は3月の前半に免許合宿に行っていた(なぜか3回生目前にして運転免許を取っていないという…)。セオリーとしてはその後に本免試験を受けると思うのだが、なんと私の地域では本免試験が完全予約制であり3月はもう予約がいっぱいであるという悲劇に見舞われ春休み中に免許を取ることができなかった。
…、南大東遠征が徒歩に決定となった瞬間であった。
(ちなみに4月の新歓でも運転できないため完全に無能部員である。)
余談となってしまったが、そんな無能部員Sは失意の中実家から福岡に帰り、すぐ南大東へと向かったのであった。
2026年3月26日
昼の飛行機で実家から福岡に帰り、不要な荷物を下宿先に置いてすぐ福岡空港に向かい那覇行きの飛行機に乗るという正気ではないスケジュールで夜21時に那覇に到着。
次の日の朝の飛行機で南大東へ行くためそれまで空港内で過ごそうと思っていたのだが、なぜか那覇空港の至る所でシャッターが閉まり始めた。どうやら那覇空港は24時でターミナルが閉まるらしい。詰んだ。
急いでホテルを調べたところ那覇空港内にカプセルホテルがあるということでそこに泊まることに。一泊5000円…。
8:00発の飛行機であるため7時ごろにホテルのチェックアウトを済ませJALのチェックインカウンターへ。一応持ってきた長竿を入れたロッドケースを預ける。カウンターのグランドスタッフに釣竿ですか?と聞かれ、「…はい!」。
保安検査を終え搭乗ゲートに向かおうとマップを見るとエスカレーターで下ったところにあるらしい。行ってみるとゲートの向こうにバスの姿が…。どうやらバスでプロペラ機まで向かうらしい。プロペラ機…。
こうしてバスに乗り向かったプロペラ機、なんとも可愛い見た目である。
搭乗後にプロペラがすごい音を立てて回り出した。ガンバッテイル。
そんなわけで南大東空港に到着した。
ここで預け荷物がどこで受け取れるかわからず空港内をうろうろしてしまったがJALのチェックインカウンターの隣で受け取ることがわかり一安心。
(JALホームページの画像に追記)
飛行機を降りると青矢印の通りに空港ロビーに入る。預け荷物は青◎で手渡しで受け取れる。
空港からホテルまでは距離があり、車で送迎してもらい到着(先程の空港地図の左下のレストランマークの場所に売店がありそこの職員さんらしき方が送迎してくれる)。直前までホテルを取っておらず、3泊4日で約2万8千円。荷物を置いて早速出発。
南大東島は開発により原生林がなくダイトウマメクワガタとダイトウヒラタクワガタは共に防風林にあるモクマオウという、松のような見た目であるが広葉樹とかいう謎の木の朽木に生息しているらしい。ダイトウヒラタクワガタは特に面白く日本の他のヒラタクワガタと異なり成虫でほとんど後食せず樹液や灯火共に飛来しないというものらしい。しかし捕まえるのはかなり困難らしく(ホテルの方は年配の方であったが子供の頃はよく捕まえていたが今はかなり少なくなっていると言っていた)今回はダイトウマメクワガタ狙いに決めた。
これがモクマオウである。広葉樹…?
まずホテルの近くの防風林へ行ってみたがモクマオウの倒木がどれかわからない…モクマオウの生木付近の倒木は硬くなかなか割ることができなく、また良さげな材がほぼない(おそらく同業者に割られている)印象である。ここでは成果を得られなかった。
余談であるが南大東島は国指定の鳥獣保護区域があり、そこでは植物を傷つけてはいけないため保護区域に近づくことは望ましくない。
気分転換にさとうきび畑のそばを歩いているとシジミチョウが飛んでいたのでネットイン。
ウラナミシジミであった。大きめのシジミチョウは大体こいつでたくさん飛んでいる。また、国内外来種のミヤコヒキガエルがたくさん干からびている。そしてこんなものも
フェロモン誘引剤を使ったサイカブトトラップであり、島のあちこちでたくさん見かける。
その後ホテルに戻りテレビで甲子園を見て、1日目が終わった。
2026年3月28日 晴れ
朝8時、朝食で大東寿司を食べ早速防風林へ。島の西側を攻めてみる。良さそうだが先人に割られている材を見つけ、見てみる。木屑の中からダイトウマメクワガタのものらしきエリトラが出てきた。
うん…。
ちなみに南大東の防風林は歩きづらい。私はボロボロのスニーカーなので尚更であるが。珊瑚礁が隆起してできた島なのでとてもゴツゴツした岩が多い。
余談であったが、そんな中とあるカミキリが視界に入る。
オキナワアヤモンチビカミキリSybra (Sybra) ordinata loochooana Breuning, 1939
クワガタじゃなくてカミキリですか…。ともかくこの種はアヤモンチビカミキリの沖縄諸島亜種で、南大東では2013年に記録された(槇原・吉武 , 2013)らしい。ありがたくいただく。
マメクワは出ず、午後は北側の防風林を攻めるため北上していると…
サイカブト(タイワンカブトムシ)♂ Oryctes rhinoceros Linnaeus, 1758
さとうきび畑の脇にいた。見たことがなかったためプチ興奮。ありがたくいただく。私が来た時期は丁度さとうきびの収穫時期であり、さとうきび畑のそばはずっと黒糖の匂いがしていた。
また大きな蝶の影が…。思わずネットイン。
アサギマダラ Parantica sita niphonica Moor, 1883
アサギマダラ!、個人的に好きな蝶なので嬉しい。島内では定期的に見られた。
しかし北側の防風林ではリュウキュウマツが多く生えており成果はなし。
こちらがリュウキュウマツ。防風林では生えていないとこもある。モクマオウに似ているため最初は紛らわしいがモクマオウより幹がひび割れており、葉のつき方なども違いため慣れれば見分けやすい。朽木も一般的なマツの朽木と同じような見た目である。
帰りに大東神社へ。
界隈では64円のお賽銭を投げるとクワガタが取れるジンクスがあるとか…。私も例に漏れずお詣りして64円を納める。ちなみに現在では大東神社一帯は保護地区に設定されておりダイトウヒラタやダイトウマメクワはとれない(材割してはいけない)。お詣りを済ませたらすぐに立ち去る方が良い。
こんな感じでマメクワがとれないまま2日目が終わった。2日後の飛行機で帰るため1日中採集できるのは明日が最後。一抹の不安を抱えたまま眠りにつく
2026年3月29日
例によってホテルで大東寿司を食べ、朝から採集に向かう。今回は防風林ではなく海岸沿いを攻めてみようと思う。
南大東島では大きく海岸沿い、防風林、島の中心部の3箇所から場所を選定する。ただし島の中心部はほとんどの場所が保護区に指定されており避けた方が良いと思う。
そんなわけで島の西側から北に向かって海岸沿いの森林の中を通る道を進み良さそうな場所を探す。
…厳しい、か?。気のせいかモクマオウが少ない気がする。少し中に入ろうとするとトゲトゲのアダンの攻撃を受ける。何もとれずに北の方まで行ってしまった。
とりあえず気分転換に観光。バリバリ岩という場所があるのでそこへ行く。
壮大だなあ…(何しに来たんだろう)
とりあえず宿に戻ろう。帰っている途中にサイカブトのメスを拾いつつ宿でもう一度考え直す。初日の西側が一番良かったなあ…
というわけで夕方であったが一縷の望みをかけ初日に行った西側の防風林へ。開き直ってモクマオウの枝部分らしきカピカピの倒木を割る。
…ん?小さい黒いシルエットが…
ダイトウマメクワガタ Figulus daitoensis (Fujita & Ichikawa, 1986)
!!!!!!!!!ッきた!大東神社のご加護(?)かな!
初日はモクマオウの朽木がどれかわからなかったため大きめの材を割っていて見逃していた。一匹とれたら他にも取れるものでこの材からは2匹の成虫と2匹の幼虫が得られた。その後そばにあった別の材からも成虫2匹が得られ、計4匹の成虫を得ることができた。
参考までに出てきた材の写真をあげておく
あり得ないくらい乾燥してカピカピだったが幼虫もいたため、ダイトウマメクワガタはヒラタと違いどんな材にもいるようである。しかし硬い材が多い(柔らかい材はすでに割られている)ため割るのは大変である。また、南大東島は私個人の主観であるがかなり乾燥しており雨もほとんど降らないため湿った材を見つけるのはかなり困難であると思う。
ひとまず30分も経たずに目的の虫を得られたため日が落ちる前にホテルに戻る。こうして3日目も終了した。
2026年3月30日 晴れ
最終日。ダイトウマメクワガタは昨日採集し、午後の便で帰るため、朝10時ほどに起床。JAL公式ラインから通知が来ているではないか。
…ん? …んんん?!
目が覚めました。どうしよう。とりあえず空港に向かおう。外に出ると壁に何かが…
リュウキュウヒメカミキリ Ceresium fuscum fuscum Matsumura et Matsushita, 1932
前胸背板が一様に毛で覆われているため基亜種。ありがたくいただこう。…じゃない!
ひとまずカミキリを確保した後、もう一度空港に行こうとするとホテルの方が送っていただけるとのことでありがたく頼らせていただく。かなり虫に詳しく親切にいろいろ教えていただきつつ、空港に到着。JALのカウンターにて翌日の朝の便に振り替えてもらい、その後ANAに乗る予定があったがJALの方に対応していただき振り返ることに成功。もちろんホテル代も負担していただけることに…。というわけでもう1日分南大東島に幽閉滞在することに。
とりあえず観光をしようということで日の丸展望台に
意外と低いなと思いつつ登るとかなり景色が見渡せる。
防風林はボコボコだったが島内は平らでかなり頑張って開拓したのだなと感じる景色であった。
その後の移動中のさとうきび畑脇の草むらに輝く物体が…
ナナホシキンカメムシ Calliphara excellens Burmeister, 1834
私は初めて見たのでかなり興奮。友達へのお土産も兼ねて複数ありがたくいただく。
またヒサマツサイカブトや大東神社産のダイトウヒラタクワガタの標本などを展示している島まるごと館にも行ってみたかったが今はリニューアル準備中のため閉館しており行けなかった(再開時期は令和8年度の予定とのこと)。
他にも大池のオヒルギ群落や上陸記念碑などを巡り大東そばを食べホテルへ。4日目が終わった。
2026年3月31日 晴れ
朝の便で帰るため特に書くことはない。間違えて手荷物にピンセットを入れており回収されてしまったくらいだ。行きと同じプロペラ機で南大東を後にする
予定通り那覇空港に到着。実はこの後昆虫班の同期たちと石垣島に行くため、ANAの石垣行きの飛行機へ乗り継ぎ。時間ギリギリであったがなんとか搭乗できた。
とまあこんなところで今回の採集記はおしまいです。初めてのブログで拙い文章であったと思いますがご覧いただきありがとうございました。
ではまたお会いしましょう〜
班員Sでした〜🫛

























