お久しぶりです。昆虫班3年の上森です。
前回の記事から丸一年開いてしまいました。……いや、採集にはいっていたんですけどね? 7月には沖縄島に遠征したんですけど「対馬は私が書いたし沖縄は任せるわ~」と言ったらこの始末です。夏季休暇中は私、地元の関西に引きこもっていましたし。
というわけで久しぶりの書き込みです。GWの間、対馬に行ってまいりました。後輩さんたちとは別行動で、院の先輩方の採集に混ぜてもらっておりました。
珍道中は後輩の記事に任せて、手短に面白そうなものをピックアップして紹介していきますね。
当方マクロレンズなど持ち合わせておりませんので、画像が荒くて申し訳ありません。こちら、ナミハセイボウChrysis japonica Cameron, 1887です。私、ハチ屋を名乗っているくせに今までオオセイボウしか採集したこと……というか見たことなかったんですよね。
これ、観光地の脇に転がっていた枯れ木の上です。今までも見逃していたんだろうなぁ。
別の場所で、さらに二種類のセイボウを採集できました。
ツマムラサキセイボウ Chrysis splendidula Rossi, 1790
リンネセイボウ Chrysis ignita (Linnaeus, 1758)
良い生態写真が撮れました。
(たぶん)オオホシオナガバチの産卵シーンです。自分の体長を超える長い産卵管を木の中に差し込んで、中にいる虫の幼虫に卵を産み付けているそうです。ぶっちゃけ三日月山にもいます。
今しがた日本産ヒメバチ目録のサイトを確認してみたのですが、対馬の記録はないですね。大方誰も記録していないだけなのでしょうが。
カタマルヒラアシキバチ Tremex contractus Maa, 1949です。立ち枯れに数匹集まっていました。大阪府のハバチ・キバチ図鑑によりますと、これも対馬からの記録はないです。全国的にも記録例は少ないとありますので、非常にうれしい採集品となりました。
と「これ対馬初記録じゃない?」という虫を採って嬉しがっていたのですが、なんとまあ新種かもしれない虫も採ってしまいました。発表前なので詳細は書きませんが、専門に研究している方のもとに送られ、もし新種ならばそれをタイプとして記載されることに……。そうなれば感激ですね。
さて、続いて変異の話をしましょう。コマルハナバチの体毛はオスがクリーム色、メスは黒色で腹部4節以降は橙色というカラーリングをしています。しかし対馬亜種のメスはオスの様に全身クリーム色になります。

コマルハナバチ対馬亜種 Bombus (Pyrobombus) ardens tsushimanus
ちなみにこれは女王です。女王はたいてい春先しか出ていないのでこれも嬉しい採集品に(ちなみにコマルハナバチ自体は山の様にいました)。
これに似た色味をしているなぁ、と思ったのがこちら。
オオイシアブの一種。チャイロオオイシアブかな? チャイロオオイシアブ自体はもともとこのような橙色なのですが、だいぶクリーム色味の強い個体もいて、もしかしたらツシマコマルに合わせているのかな? と思ったり。
ハチの話をしてきたので、最後くらいは甲虫の話をしましょう。というか特産種あふれる対馬にきてタトウ一つ分程度しか甲虫を採らない虫屋も珍しいというか。私の事ですけれど。
これ以降は単なる後輩への自慢です(といっても私の成果ではなく先輩方についていった結果ですが)。
ヨスジアオカミキリ Eumecocera impustulata (Motschulsky, 1860)
国内では対馬のみに生息しています。メタリックな水色が美しいカミキリムシで、私も採集したいと思っていた虫なので嬉しいです。交尾中の個体は採らないように心掛けているのですが、こればっかりは申し訳ないと思いつつも採集してしまいました。
モンクロベニカミキリ Purpuricenus (Sternoplistes) lituratus Ganglbauer, 1886
トリを飾るのはやはりこれでしょう。モンクロベニ。ずっと「モンクロベニモンクロベニ」と呪詛を唱えていた先輩が最初に採った時は雄たけびをあげていました。何がいいって赤がいい。紋がかっこいい。言うまでもないですね。
このように身に余るいい虫を多数採集できてしまった対馬遠征でしたが、カブリモドキやヒメダイコクに関してはまたしてもほぼ空振りでありました。なんでやねん。






