マザコンすぎて、進撃の巨人でお母さんが巨人に食べられたところで読むのやめました。どうも細江晟司です。フジケンには頭の回転が速いといわれたので、ブログなんてスラスラかけるのだろうと思われているかもしれませんが、実はこのブログは1週間前から準備し始めて、手直しに手直しを重ねてなんとか完成させたものです。おっとハードルを上げすぎてしまいました。最後まで読んでいただけたら幸いです。
僕は滋賀県の愛知郡愛荘町の出身で、初見で「愛知」を「えち」と読める人には出会ったことはありませんが、読み方を教えると皆さんなぜか絶対に覚えてくれます。僕の家庭では阪神ファンである父親と祖父の影響もあり、野球に触れる機会は比較的多かったのかなと思います。もしかしたら僕の家庭でも野球をするように僕に仕向けていたのかもしれませんが、小学3年生の僕が選んだのは、まったく関わりもなかったフェンシングでした。半年ほどフェンシングに取り組んでいた時、阪神が2位から日本シリーズに進出しました。日本一になることはできませんでしたが、家族の盛り上がりを感じた僕は、野球がもつ人を熱狂させる力を感じました。そこで野球を始めようと思ったその時、僕は友達から熱烈な剣道へのオファーを受けます。半年間握ってきたフェンシングの剣を、竹刀に握り替えるのか、それともバットに握り替えるのか悩みましたが、4年生になった僕はバットを握ることを決意して、野球を始めました。
こうして僕は野球少年となるのですが、これまで練習してきた環境はかなり特殊だったなと今になって思います。小学校では、ホームベースがマウンドよりも高い、中学校では、新校舎建設のためにグラウンドが制限され、ライト30mレフト200mの長方形グラウンド、高校では、高校自体がお城の中にあり、観光客の方々にボールが当たると危ないため練習試合どころか、グラウンドでのバッティングが禁止、など決して恵まれている環境とは言えませんでしたが、そういった環境を言い訳にせず、その中でできることを考えながら練習してきたのはいい経験になりました。
タイトルにもあるように、僕は高校1年生の秋に僕の野球人生を大きく変えた友達に出逢います。彼は僕が野球をしているときはいつも一緒で、僕は彼からよく嫌がらせを受けていました。彼が留学生なのかはよく知らないのですが、名前がカタカナ表記でした。お気づきの人もいるかもしれませんが、そう、彼の名前は「イップス」です。彼の嫌がらせにより、僕は近い距離が投げられなくなってしまいました。そうして冬季練習に移るのですが、彦根市は記録的な大雪の影響で、キャッチボールをする機会も減り、彼と会うこともなくなり、雪が溶けるころには、彼は音信不通になりました。やっと邪魔者がいなくなり安心して野球に取り組むことができ、僕は2年の秋季大会前にはレギュラーを勝ち取ります。秋季大会では活躍するぞと思った矢先、また彼が僕の前に現れます。
ですが、よく見てみるとなんだか様子が違います。そこで聞いてみると、なんと目の前に現れたのは彼の弟でした。その弟は投げる時には優しく接してくれるのに、打席では僕をいじめました。そんな弟のせいでバットがボールに当たるどころか、ボールが視界から消えてしまうような感覚に陥り、僕はレギュラーから外れました。そして焦る僕は何とかして弟と縁を切ろうと、試行錯誤を繰り返しますが、成長を実感できないまま3年生になり、最も恐れていた事態が起こってしまいます。なんと弟だけでなく兄まで僕の前に現れたではありませんか。そして、投げることも打つことも思い通りできなくなってしまった僕は、最後の大会ではベンチから外れ、高校野球を終えることになります。受験期になると彼ら兄弟と会うことは一切なくなり、滋賀から福岡まではまさかあの2人もついてこないだろうと考え、彼ら兄弟と縁を切って野球をもう一度頑張ろうと思い、大学でも野球を続けることにしました。
そうして滋賀から約700kmも離れた伊都グラウンドにも現れた兄弟の姿に、僕は思わず2度見、いや3度見してしまいました。「大学でもこいつら2人と野球せなあかんのか」と僕は思いましたが、この九大野球部に入って考え方が変わりました。今まではイップス兄弟と縁を切ることを考えて過ごしていましたが、彼ら2人を一方的に嫌うのではなく、彼らとどのように付き合っていくかを考えながら過ごすようになりました。投げることも打つことも思い通りできない中で、自分の現状を受け入れた上で何ができるか、何をすべきかということを考えながらプレーしていくと、少しずつ彼らと仲良くなり、少しずつ自分を取り戻せた気がしました。まだまだ彼らとのベストな付き合い方はわかっていませんが、自分と向き合い、彼ら2人と仲良くなれるように日々過ごしていこうと思います。
また、高校野球では不甲斐ない結果に終わったのに、大学野球でリベンジの機会を与えてくれた家族や周りの方々への感謝を忘れずに、高校野球の借りを大学野球で返せるように頑張りたいと思います。最後まで読んでいただきありがとうございます。イップス兄弟からも「僕たちの感謝の気持ちも伝えといてね」とLINEが来たのでこの場を借りて伝えさせていただきます。
次はマウンド上でのメガネ姿が印象的な「九大の山井大介」こと吉原くんです!186cmの高身長から繰り出される文章にご期待ください!!