海事代理士、聞きなれない士業ですが、実は8士業の一つです。

8士業の中には有名なものからマイナーなものまであります。

弁理士もどちらかというとマイナーかと思うのですが、それを遥かに凌駕するレベルでマイナーなのが海事代理士です。

 

弁理士は、大きな本屋に行けば参考書があり、大手資格予備校にも講座があります。

しかし、海事代理士については、本屋に対策本が置いてあるのは稀ですし、資格予備校の講座もありません。

そこで、私が採った勉強方法を記録しておきます。

 

【使った本】

以下の3冊です。

海の法律家 海事代理士になる 海事代理士口述試験 練習問題集」

https://www.amazon.co.jp/dp/B07117WVPT/ref=dp-kindle-redirect?_encoding=UTF8&btkr=1

>すべての条文と規則(民法は一部)が虫食い状態で載っています。

全てなので、新作問題も難なく対応できますし、各法律の理解が捗ります。

また、手数料の金額や紛らわしいところは表にしてまとまっているので、紛らわしい部分の理解もしやすいです。

 

海事代理士合格マニュアル」

https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/asin/4425975723/bechi0f-22/

>海事代理士試験でこの本を見たことがない人はいないくらいのバイブル的な一冊です。

私も買って使いましたが、5年分、しかも過去問とその答えしか書いていないので、これ一冊で合格するのは難しいと思います。

この本は過去5年分の筆記試験と口述試験が掲載されているのですが、私は記述問題対策として、口述試験部分をやっていました。

 

海事代理士厳選過去問題集 【第3版】 (ReaL海事代理士講座)」

https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/asin/4906983073/bechi0f-22/

>これも広く受験生に知られた一冊です。過去問10年分と簡単な解説がついていますので、過去問対策としては一番いい本だと思います。

しかし、条文そのものは別途「合格六法」とかで勉強しないといけません。

最近は新作問題も多い印象なので、確実に合格したいという方は、やはり「海の法律家 海事代理士になる 海事代理士口述試験 練習問題集」で全ての条文見ておくことをお勧めします。

 

【各法律の勉強】

憲法

全部で103条しかないので、全部確認することをお勧めします。

全条といっても、中高で多少やっていますので、意外と勉強は捗ります。

なお、判例問題は、過去問で十分ですし、新作問題だとしても、常識で解けます。


民法

宅建の民法等と同等レベルですので、宅建の民法部分を勉強することをお勧めします。

よって、宅建のいい参考書を使って勉強すれば6~8点は確保できると思います。

 

商法(第3章海商法)

苦手でした。

過去問演習と、海商法の全文読みをして内容の理解に努めました。

 

国土交通省設置法

過去問の演習で十分です。


船員法

まずは過去問演習ですが、理解がある程度進んできたところで、5年分の口述問題を解くといいと思います。

口述は(弁理士試験でもそうですが)、理解が深まりますので、このタイミングでやると効果絶大です、

筆記試験でも、正誤問題や記述問題の対策になります。

 

船員職業安定法

これも、まずは過去問、次に全文読みです。

量も少なめなので、全文読みできる量だと思います。

 

船舶職員及び小型船舶操縦者法

過去問演習と、5年分の口述問題を解くといいと思います。

私は、条文と規則の全文読みしましたが、この法律についてはどちらかというと内容の理解に軸足を置いた勉強が良いと思います。そのためにも、口述の演習はお勧めです。

 

海上運送法

これは過去問だけでもいいかもしれません。

ただ、各語の定義は条文をみてきちんと覚えておくことをお勧めします。

また、届出or許可の部分を聞かれますので、表とかにしてまとめて置くといいです。


港湾運送事業法

これも過去問だけでもいいかもしれません。

ただ、各語の定義は条文をみてきちんと覚えておくことをお勧めします。

また、届出or許可の部分を聞かれますので、表とかにしてまとめて置くといいです。

問題自体はパターン化しているので、情報を整理して覚えていれば安定して高得点を得られます。

 

内航海運業法

条文数が少ないので、過去問演習が一通り終わったら、全文読みをお勧めします。

 

港則法

この科目は情報整理がどの程度できているかに点数が依存すると思います。

とにかく紛らわしいものが多いです。

ただ、問題自体はパターン化しているので、情報整理が完璧なら、安定して高得点が得られます。


海上交通安全法

条文が少ないので、全文読みしました。

これも所々紛らわしいものがありますので、適宜、情報の整理をしておくといいです。

 

海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律

とにかく、誰が?、何を?、どうする?の部分にフォーカスして情報を整理する。これにつきます。

過去問演習をしたら、全文読みをしつつ、情報整理をするに尽きます。

 

船舶法

過去問演習と、5年分の口述問題を解くといいと思います。

出題ネタはふんだんにあるので、新作問題も登場しやすい印象です。

全文読みをした方がいいですが、できないなら、口述の過去問を使って内容理解を勧めた方が良いと思います。

とにかく、筆記試験の過去問だけだと心細いと思います。

 

船舶安全法

過去問演習と、5年分の口述問題を解きました。

出題形式は、だいたいが穴埋め問題なので、条文の全文読みもしました。

 

船舶のトン数の測度に関する法律

条文数が少ないので、過去問演習が一通り終わったら、全文読みをお勧めします。

 

造船法

条文数が少ないので、過去問演習が一通り終わったら、全文読みをお勧めします。

 

国際航海船舶及び国際港湾施設の保安の確保等に関する法律

条文数が少ないので、過去問演習が一通り終わったら、全文読みをお勧めします。

 

【その他】

試験会場で他の受験生をみていると、大半が「過去問の印刷物」、「合格マニュアル」、「厳選過去問問題集」をやっていました。つまり、過去問はみんなやっている様子でしたが、条文の読み込みはあまりやっていないように感じました。

条文が大事だと認識し、「海の法律家 海事代理士になる 海事代理士口述試験 練習問題集」をやっていたのは私だけでした。

基本的に、法律資格は条文がバイブルだと思いますので、(過去問も大事ですが、)条文をしっかり読み込んでおくべきだと思います。

ちなみに、弁理士試験では、「条文に始まり、条文に終わる」という言葉があります。これは海事代理士試験にも通ずると思います。