漕思漕愛
こんにちは!
3年・前主将の三幣です!
インカレ前後には各大学の漕艇部の引退ブログがSNS各種に飛び交っており、知らない人の引退ブログを読んで、知らない人のはずなのにその人の漕艇部で過ごした数年間の様子が鮮明に伝わってきて、なんだか勝手に寂しい気持ちになることが最近数週間は多かったです。
それに感化されたこともあり、かつインカレを終えたので自分もブログを書こうかなと思い立ち、書いております
ではまずインカレの振り返りから
今回のインカレは前回のインカレの事もあって武者震いが予選数日前から止まらないほどでした。昨年の結果はダブルスカルで敗者復活戦にて負けてストレート負け。大好きな先輩を勝たせると意気込んだものの、この結果で先輩に向ける顔がありませんでした。すごく悔しかったです。何もかも足りないとレベルの高さを突き付けられた予選と敗者復活戦の2レースでした。
そして、そのインカレを踏まえて迎えたインカレ。今年の種目はクォドルプル
ただ勝つだけでなく、自分にとっては昨年の悔しさ、そしてダブルを組んでて勝たせてあげられなかった先輩の思いも(勝手に)背負い、その思いをぶつける5日間でした。
予選の前日、組み合わせが出たときから緊張がだんだんと高まっていき、予選のスタートラインに並んだ瞬間には最高潮に心臓の鼓動が高まってました。
「もう後がない」
「ここでまたヘマしてしまったらどうしよう」
昨年のレースの感覚が一気にフラッシュバックしてきて緊張の中に恐怖のようなものも混ざっていました。
ですが、その時に助けてくれたのは自分の後ろに座ってる3人の後輩たちでした。
「落ち着いていこう」「楽しんでいこう」
この言葉自体は自分も名島での練習の時、日頃からずっと言い続けてきた言葉でしたが、後輩たちにこの場面で助けられることになるとは思ってませんでした。
そのおかげもあり、予選の結果は2位ということで敗者復活戦にはまわったものの想定していた中で一番良い結果が得られひとまず安心でした。
そして迎えた敗者復活戦は今回のインカレで漕いだ中、ひいては今まで漕いできたレースの中で一番記憶に残るレースになりました。予選2位なので組の中ではタイム的には1番で心にも多少の余裕があり大丈夫だろうという心持ちもありつつも慢心しないようにとクルーで話してました。
しかし、いざスタートすると全艇が自分の視界から消え、想定していた状況と大きく異なり頭の中が不安と混乱でいっぱいになりました。そのような状況が続き750m、1000m、1250m、そして1500m地点に来ても自分の視界には上位2艇の姿が全く見えず、焦りや昨年の二の前になってしまうという恐怖に似た感情が押し寄せてきました。
ですがそんな中1600mほどになると2位の艇が見え始め、「まだ終わってない、まだいける」と一筋の希望の光が見えたように感じると同時に「ここで出し惜しみして負けてしまったらこの先、一生後悔してもしきれないな」と思い、今までにないくらいの力を振り絞り、ペースを目一杯上げました。後輩たちとも思いが一致したのか練習でも出たことのないようなスピードが出て、無事に準決勝進出することができました。
長々と書きましたが、これでも足りなくらい書いている今も興奮冷めやらぬほどのレースでした(笑)
そして準決勝でB決勝進出が決定し、決勝では4艇レースでした。結果から言いますとレース自体は3位となり種目全体では9位という成績となりました。決勝のレースを終わってからビデオで見返すと2位の艇とほんのわずかな差で、それで賞状を逃してしまったのかと、そこで初めてそのような状況であったことを知りました。
というのも、B決勝は私自身は入賞したい気持ちで漕いでいましたが、それ以上に最終日に残れてたくさんの声援に囲まれて漕げるということ自体が嬉しくて結果以上に最終日に漕げてよかった、楽しかった、全てやりきったというとても晴れやかな気持ちでした。
そして何よりも最終日の景色を見せてくれたクルーの後輩3人には感謝しかないです!代替わりしてから対校艇をクォドと決め、1月からクルーを組んで約8ヶ月もの間、乗艇、エルゴ、筋トレなどきつい練習が続く中で日々愚痴を漏らすこともあったし、みんなイライラして雰囲気が良くないことも多々あったし、中々意見がまとまらないこともあったけど、みんな根はすごく真面目だから熱心に取り組んでくれたからこその今回の結果だと思う!
けれども3人がスカルを始めて1年足らずでここまで来れるとは夢にも思わなかったから準決勝以降は夢のような時間を過ごさせてもらった!
そして最後の最後まで自分を立ててくれてありがとう!
そして次は主将としてのこの1年間、さらに入部してからの2年半を振り返ってみようと思います。
この1年間は、どこをとっても大変でしょうがない1年で部の事を考えない日がほとんどないくらい大変でした。一昨年、去年の自分もそうであったように何かあると主将に話が来るのでその対処であったり、日々の練習の内容やスケジュール、そして自分自身のトレーニングと今までのに経験したことのない忙しさでありました。そのせいでフラストレーションは溜まるし、そのせいで同期や後輩に少々きつく言ってしまうことがありました。本当にごめんなさい。
これまでに人の上に立つ経験がなく、何もかもがうまくいかないことばかりで、みんなに迷惑かけてばかりで、振り回してばかりでした。部活のlineを見返してみると「ごめんなさい」「すみません」ばかりで情けないです…
そんな中でも同期、後輩たちは文句なくお願いしたことに対してちゃんと動いてくれました。感謝感謝です。本当にありがとうございます。
次に入部してからの2年半は色々ありましたが、残る感情は「楽しかったな」の一言につきます。
そう言えるのはこれまでの先輩方が環境を作ってくださっているおかげです。OB・OGの皆様本当にありがとうございます。次は自分も後輩たちが精一杯ローイングに取り組み、楽しかったと言って終わっていけるような環境づくりのサポートに注力していこうと思います。
思い返すと一番きつく苦しかったのは何といっても1年生の冬トレ期間です。
漕手は自分含め6名しかおらず、全体でも10名少々という現状では考えられないくらい人数が少なく、トレーニングは乗艇も週末だけで大学で講義を受けてはエルゴ、講義を受けては筋トレの日々で、広い艇庫にも6人しかおらずとても寂しい日々でした。その6人で細々となんとか互いに励まし支えあいながら、モチベーションを維持し何とか冬を乗り越えることができました。思い出せないだけでもっときついこともあったでしょうが今となれば一番きつかったこともいい思い出です。
この冬を一緒に乗りきったメンバー6人で4年の先輩たちの卒業前にどっか一緒に行きましょうね!
あとはボート部できついの代名詞はやはり「エルゴ」です。これは前のブログでも話した通りです。きついので嫌いです。でもこれからは体力維持のために趣味の範囲で気ままに引こうかなと思っているんで多少エルゴに対する印象が変わるかもしれないです(笑)
今度は逆に1番楽しかったことは何かとなると難しいですが、迷いに迷って今回のインカレです。理由は最終日に漕げて嬉しかったからというのと、もうひとつは勝ち進んだことに伴ってたくさんの応援をいただけたからというものです。今春からボート始めた1年生もいるのに、ほとんどが現地に来てサポート、応援をしに来てくれました。
1年生だけでなく帯同してくれたマネージャー、OBの方や監督、そして引退された学生の先輩方も応援に来てくださりました。中には最終日に残ることが決定してから現地に来てくれた先輩もいらっしゃいました。ほかにもオンライン配信で見てるよと激励をおくってくださった先輩方もたくさんいました。B決勝に向けた蹴り出しの時にはエールもおくってもらいました。
こうしてたくさんの方々に応援してもらう中で漕げることは何にも代えがたい幸せなのだと感じることができました。本当にありがとうございました。
そして、高校・大学とローイングを通してたくさんの方との繋がりを得ることができました。自分にこの競技の面白さを伝えてくださった先輩やより一層上を目指し続ける先輩・同期・後輩、強くなるために導いてくれたコーチの方やOBの方。これだけではありませんが、今に至るまでたくさんの方にお世話になりました。この縁はずっと大切にしたいものです。
先輩方へ
大学に入ってすぐに艇庫に入り浸っていた自分と仲良くして下さり嬉しかったです。特に一番一緒に長く活動していた現4年生の先輩たちにはすごくお世話になりここでは話しきれないくらいのたくさんの思い出があります。人数は少なかったけど楽しく過ごしていた日々をふと思い出し、恋しくなります。特に保坂さんとは一番クルーを組んでいた期間が長くとてもお世話になりました。競技だけでなく主将という立場の人間としてもこんな時先輩ならどうしてたんだろうか、と参考にさせてもらうなど、勝手にお世話になっている部分もありました。そして何よりも入賞こそ逃したものの去年の雪辱は果たせたと思います!どうですか?果たせていますかね?とにかくお世話になりました!
同期へ
なによりも幹部代1年間お疲れ様!マネージャーはいなくて漕手3人と少ない人数ではあったけど幹部の代としての1年間を遂行しきってとりあえず一安心!自分もそうだけれどそれ以上にやる気の波が激しくて(やる気低迷期が多め?)ずっと「エルゴ引いて!」「エルゴやるよ」とこんなことばっかりしか言ってなかったから申し訳ない気持ちがあったけど2人ともそれぞれの引退試合に向けて乗艇もエルゴも勉強とか就活と両立しながらやっていてなんやかんやでやるときにはちゃんとやってくれて嬉しかった!そして2人は僕にはない高いコミュニケーション能力で後輩たちと会話を積極的にしてくれて部の雰囲気をより良くしてくれて感謝しかない!現役期間は3人で何かしたりっていう機会が少なかったから、何かしらやろうな!
本当にありがとう!!!
後輩達へ
インカレ最終日前日にもらった寄せ書き読ませてもらいました!みんなからの言葉の一つ一つがとても嬉しいものでした!ありがとう!そして、さっきも言った通りこの一年間は迷惑をかけっぱなしで今までの先輩たちのように何か残せたかというと正直自分では何も残せてないんじゃないかと思ってます。
でも今回のインカレではクルーの3人をはじめ漕手の皆には次へのモチベーションにつながるような姿を多少なりは見せれたんじゃないかなって思ってます。
今の1,2年生たちは数もいるし何よりも向上心とポテンシャルの塊なので九州大学・福岡女子大学漕艇部の再興の起爆剤になってくれると思ってる!9位なんてところで留まらずに入賞、そして表彰台に立ってる姿を見せてほしい!そのためのこれからの冬のトレーニングは先が見えずにつらくなって心が折れそうになってしまうことが何度もあると思うけれど、たくさんの仲間と支えあってほしいし、自分たち先輩にも頼ってほしい!これを乗り越えた先の景色は今見てる景色とは全く別物だし、別人になれていると思うから諦めず力強く漕ぎ続けてほしい!
そのためにもマネージャーの皆は今まで以上に強くなっていくであろう漕手たちを全力でサポートしてあげてほしい!漕手がマネージャーにたくさん迷惑をかけてしまうこともたくさんあるだろうけど、その時は漕手、マネージャーとちゃんと言葉を交わしてほしいし、漕手はサポートしてよかったと思ってもらえるように日々練習に取り組んでね!
もちろん漕手、マネージャ―業務の手伝いは僕もさせてもらうつもりだから困ったらいつでも呼んでね!
4か月ないしは1年半、本当にありがとう!
ありがとうございました
九州大学漕艇部2025年度シーズン主将
三幣真大朗