【森連載記事vol.2】有機化学その1 ~有機化合物の特徴~ | 化学五郎(カガクゴロウ)

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9月も残すところあと数日、もうすぐ10月に入りますね!

食欲の秋、読書の秋、有機化学の秋!頑張って行きましょう(^_^)/


そもそも有機化合物とは何?無機化合物との違いは何だろう?

有機化合物とは炭素を含む化合物のことで、無機化合物炭素以外の元素を含む化合物です。
ただし、例外としてCO2やCOなどの酸化物やCaCO3やKCNのような金属を含んだ炭酸塩やシアン化合物は無機化合物として扱われます。

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昔は生物体がつくりだした人工合成のできない物質を有機化合物、生物体とは無関係につくられた人工合成可能な物質を無機化合物と区別していたようです。
しかし、ドイツの化学者フリードリヒ・ヴェーラーが無機化合物のシアン酸アンモニウムNH4OCNから有機化合物の尿素CO(NH2)2(※文字通り、尿のもとですよ~)の合成に成功したことで、今のような区別の仕方になったようです。

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※シューベルトじゃないですよ



有機化合物無機化合物の違いは性質の点でも様々な違いがあります。

結合に関して


有機化合物共有結合で結合した分子が集まって出来ています。分子同士は分子間力という非常に弱い力でくっついて分子結晶を構成しているため、融点は低く(300℃以下)、高温で分解しやすいです。

一方、無機化合物イオン結合によるが集まって出来ています。イオン同士はクーロン力という強い電気的な力でくっついてイオン結晶を構成しているため、融点は高い(300℃以上)です。

水溶性に関して


有機化合物の分子は極性を持たないため、極性を持つ水に溶けにくく、極性を持たない有機溶媒に溶けやすいです。
一方、無機化合物の結晶は極性を持っているため、水に溶けやすく、有機溶媒に溶けにくいです。

その他、有機化合物可燃性のものが多いが、無機化合物不燃性のものが多いなど様々な違いがありますが、違いの説明はこの辺にして、次回有機化合物の性質を決める官能基について説明したいと思います。

ではでは(^^)/


$えいご、時々、ゆめ