血栓症編②です

 

いきなりこちらの記事に

飛んできた人は

是非前回記事を読んでください

 

前回記事はこちらクリック

 

 

血栓症や塞栓症について

言葉の理解ができたら

 

実際には

どのくらいリスクが上がるの?

って事が気になるかと思います

 

今回は

ピルのガイドライン

産婦人科雑誌で組まれた特集記事

から情報を抜粋して説明します

 

静脈血栓症(VTE)

前回記事で

ピル使用で起こる血栓症では

静脈にできるタイプが

問題になりやすいと説明しました

 

さらに危険なのは

肺の血管に血栓が詰まる

肺血栓塞栓症ですので

 

本来は

低用量ピル内服によって

肺血栓塞栓症が

どの程度起こりやすいか?

を判断したいところなのですが

 

症例が少な過ぎるのと

リスクの重なりが複雑だったりして

中々データが上手くまとまりません

 

そこで低用量ピルの

副作用を説明する時に

良く使われるのが

 

静脈血栓塞栓症(VTE)

の危険性がどの程度上昇するのか?

というものです

 

大雑把にいうと

静脈血栓症関連の異常が

全部含まれるのがVTEです

 

血栓があるだけでもVTE

肺血栓塞栓症になるのもVTE

という訳です

 

前の記事で説明したように

血栓=全て危ない訳ではない

のと同様

 

VTE=全て危ない訳ではない

のです

 

ガイドラインにも

それは明記されています

ダウンダウンダウン

VTEの血栓のうち

ほとんどは治療により血栓が消失し

稀に肺の血管に塞栓を起こし

その中でも1/100程度が

致死的なイベントとなる

 

さて

VTEという単語を

知ったところで

 

低用量ピル内服によるVTEリスク

10000人あたりの年間発症数

でリスクを判断します

 

ACOGFDAという

アメリカの大きな学術団体の報告では

 

低用量ピル非使用者

1-5/10000人

 

低用量ピル使用者

3-9/10000人

 

大体2−3倍のリスク

と言えそうです

 

良く比較対象に上がるのが

 

妊婦のVTEリスク

5-20/1000人

 

産褥婦のVTEリスク

40-65/10000人

 

上矢印

という数字で

低用量ピル内服は

血栓リスクはあるけど

妊娠・出産に比べると

全然リスクは少ないよ

 

という説明は

多くの産婦人科で

受けると思います

 

ここはもう少し

突っ込んで解説

 

実際にピルにより血栓ができて

それが死因になってしまう確率は

 

年間1/100000人以下

 

と言われています

 

日本で

交通事故死する確率と

大体一緒

 

日本の妊産婦死亡率は

概ね年間50/1000000人

ですので

 

ピルを使う際に

血栓が心配で迷っている

という人は

 

妊娠出産よりは遥かに安全

交通事故死と同じ程度の危険があるけど

自分にとってピルが必要か?

 

を考えればいいかなと思います

 

ただ忘れちゃいけないのが

他の要因も絡むと

リスクがさらに上昇する

って事です

 

 

他のVTEリスクとの関連

①肥満

医療現場では

肥満は何をするにも

煙たがられます

ぶっちゃけおった!

 

生活習慣病を始めとした合併症は多いし

手術もやりにくいし

薬の調整は難しいし

エコーを始めとした検査も

大体が脂肪によって観察しにくくなる

採血もやりにくかったり・・

 

血栓リスクも上昇します

 

BMI(体重Kg÷身長m÷身長m)

30を超えるとVETリスクは

2−5倍になると言われています

 

BMI30以上でピルを使用した場合

22/10000人

くらいのリスクになります

 

②喫煙

実は喫煙とVTEリスクについては

確固たるデータが出てないみたい・・

 

変わらないだったり

2倍くらいのリスクがあるとか

色々言われていますが

 

どちらかというと

明らかにリスクが増えるのは

心筋梗塞や脳卒中

などの動脈系のリスクです

注)ピル内服というか、喫煙単体のリスクです

 

血管を収縮させまくるので

当たり前といったら当たり前です

 

ガイドラインでは

35歳以上1日15本以上の喫煙者には

ピルを処方するべからず

 

と規定しています

 

③年齢

年齢とともに

血管の質も変化していきます

 

30ー34歳のVTEリスクを1とすると

35−39歳 1.18

40−44歳 1.57

45−49歳 2.09

と上昇していきます

 

ちなみに

手術もVTEの大きなリスクです

 

特に

元々血栓リスクが高い妊婦さんに

手術を行う帝王切開術は

血栓リスクが高く

 

帝王切開術は経腟分娩の

22倍のVTEリスクがある

 

と報告されいます

 

帝王切開って楽に出産できていいわねえ

 

なんて言う人達は

おそらく

このような知識は皆無

なのでしょう

毒吐いたな

 

ちなみに

産科の先生や助産師さんは

体重管理にやたら厳しい!

なんて声を聞きますが・・

 

妊婦+帝王切開+肥満+喫煙+高血圧

なんてことになったら

血栓リスクなんて

果てしない倍率になるので

 

まあ体重に厳しいのは

あなたの体(と医療従事者)の安全にとって

必要なことなんだなあ

と思って頂ければ幸いです

 

さて

ここまで血栓症について

色々リスクを並べてみましたが・・

 

ピル単体では

そこまで死亡リスクは高くない

という事が

何となく分かっていただけたかな

と思います

 

さらには

リスクを重ねる事が

どれだけよくないことか

についても納得していただけたでしょうか??

 

ただ

私が考える一番のリスクは

 

血栓症について知らない

 

ことだと思っています

 

次回は

知らない事のリスク

について説明します!

 

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