しゃばけ | 太陽と月の結婚

しゃばけ

昨年の春、神々の島と言われる沖縄「久高島」で、「月明かりの夜」を体験しました。暗闇の中、満月の月の光に照らされて、白く浮かびあがった白い道が、まっすぐ伸びてるのがとても幻想的でした。

って、こんなことを思い出したのは、最近気に入って読んでる時代小説のせいかもしれません。

時代小説って、「夜」の表現がとってもおもしろいんですよ。月あかり、常闇、提灯、行灯などなど、まだまだあるけど、風情ある自然の描写とか、巧みにでてくるアイテムとか、目をとじると広がる世界がなんとも魅力的!

ちょっと前に読んだ畠中恵さんの『しゃばけ』もそのひとつ。年末に、ジャニーズNEWSの手越くん主演でドラマにもなったから知ってる人も多いのでは。

物語は、廻船問屋である長崎屋の身体の弱い若だんな一太郎と、手代で実は妖(あやかし)という仁吉と佐助が活躍する江戸を舞台にした冒険ファンタジー。

暗闇の中、提灯の灯りを消して息を潜めるとことか、蝋燭の灯りがゆらゆら顔をなめるといった光と時間の余韻を感じるとことか、江戸の闇夜はこんなだったのかなって、思い描くことができます。

登場人物や妖もユニークで、娯楽として楽しく読むことができちゃいます。ちょっと疲れたとき、こんな江戸のファンタジーの世界に浸ってみるのもいいですよ。

▼著者:畠中恵(はたなかめぐみ)
しゃばけ (新潮文庫)


【旧暦:師走(12月)24日】