民間精神科病院のGoogleの口コミ評価の話 | kyupinの日記 気が向けば更新

民間精神科病院のGoogleの口コミ評価の話

まず最初に書いておくが、うちの病院も含め、他の精神科病院のGoogleの口コミ評価を見ることはまずない。必要がないからである。

 

また他の精神科病院のホームページを見ることもほとんどないが、紹介状を書く際に見ることはある。例えば心療内科、精神科クリニックに紹介する際、ホームページを検索する。ホームページを見れば院長の名前は必ずどこかに書かれている。クリニックであれば院長が診ることが多いからである。クリニックに紹介するなら、調べて院長宛に書きたい。

 

一方、民間精神科病院であれば、院長を名指しで紹介した場合、意図があると思われかねない。従って院長を名指しせず、漠然と外来担当医宛に紹介状を書くことが多い。これは個人的に結構重要と思っていて、いわゆる院長先生の働き方改革に影響すると考えている。

 

病院名をネット検索する必要があると思う時は、正しく病院名を書きたい時である。紹介するのに病院名を間違うのはあまりにもと思う。たまに病院名が変わっていたり、ひらがなになっていることがあるからである。

 

民間精神科病院は、そのユーザーの精神症状を考慮すると高い評価になるわけがない。従って、実際に今調べると確かにそうだったが、高い評価(星数)の精神科病院は皆無だった。

 

基本、民間精神科病院は2点台のことが多い。一応、市内ないし近郊の精神科病院のGoogleの口コミ評価を見ると、ほとんどが2~3点以内に入っていた。何が違うかと言うと、口コミ数である。(注意したいのは口コミ数が多い病院イコール良い病院でもないこと)

 

普通、口コミ数が多い時、ショップや料理店の場合、つまり流行っているわけで、さほど高い評価でない場合も良いお店のことが多い。僕が高い評価をしている料理店はたいてい口コミでは3点くらいで高くはないが、単に他者の悪意の口コミのためにそうなっているのでは?と思っている。海外では口コミ数の多さが星数と線形になっていることが多いが、日本ではそうとも言えない。これも日本人の国民性であろう。

 

食事をする店は口コミに関しては評価点数はあまりあてにならず、口コミ数の方が遥かに実際を表しているが、あまりに高級店の場合、行く人が少なくなるため、口コミ数もあてにならなくなる。

 

さて、ずっと以前から思っていたが、民間単科精神科病院の場合、Googleの口コミ(の低さ)が来院数に影響することがほとんどない。これは僕の日々診療した感覚に一致している。

 

なぜなら、必要に迫られて来院する人は、Googleの口コミが悪いとか、そのようなことは言っておれないからである。一刻も早く受診できるかどうかの方が重要であろう。

 

クリニックの場合は、受診する人もそこまで切羽詰まっていないことも相対的に多くなるはずで、民間単科精神病院よりも受診数に影響があるかもしれない。特に長い悪評は多分影響するような気がする。これは受診する患者さんの絶対値的な重さにも影響している。(言い換えると、クリニックに受診する人の方が軽い精神症状のことが多く、口コミを見る余裕もある)

 

精神科のGoogleの口コミ評価は特別で、相対的に何か不満がある人が書き込む傾向が高く、良かった人はあまり書かない。従って悪い評価に収束しやすい。これは外来患者さんが多く流行っている病院では一層そうなりやすい。

 

県内で月間外来受診者数が飛びぬけて多い病院を調べたところ、なんと全て2点台だった。もちろん口コミ数も多かった。一方、口コミ数が極端に少ない病院は、外来受診者数が少ないのである。これは分散が大きくなる要素で、良い評価も悪い評価も全くアテにならなくなる。(特に良い評価がアテにならない)

 

基本的に月間外来数が極端に少ない民間単科精神科病院(月間に300名とか)が優れた病院のことはあまりない。こういう病院は口コミ数が少ないために高評価のこともありうる。田舎に位置する民間病院の場合、今は過疎が進んで患者もあまりおらず、医師はまあまあ良いのに月間外来人数が少ないことはある。

 

なお、その病院の月間外来数は一般の人にはかわらない。県の精神病院協会の月表に記載があるだけである。

 

そのようなこともあり、民間単科精神科病院は自分の病院のGoogleの口コミ評価はたぶんあまり見ていないと思う。最初にも書いたが、必要がないからである。

 

この記事を書く際に、自分の病院の口コミの一部を読んでみた。

 

なんと、確かに記憶にある人が記載しており、書いている人の記載そのままだった(もちろん低評価)。

 

しかし、記載内容が精神症状そのままだったのである。

 

(おわり)

 

参考