大学時代の友人から紹介される患者さん | kyupinの日記 気が向けば更新

大学時代の友人から紹介される患者さん

大学時代の友人で今なお医療で付き合いがある人は限られている。過去ログで「精神科はどこに行けば良いかわからないと言う話」と言う記事があるが、この中で僕も受診先を選ぶ際に困ると言う話が出て来る。

 

 

今、定期ないしたまに受診している友人のクリニックは、内科が2名、皮膚科が1名で、この3名は時々、四方山話ができる程度の付き合いがあるとはいえる。整形外科や眼科は同門の先輩だったりと、大学時代の友人とは言えない医師である。

 

今日は、逆に彼らから紹介される患者さんの話である。

 

僕の患者さんを他の精神科病院ないしクリニックの医師名を指定して紹介した時は悉く断られている、と思ったが、良く考えるとクリニックは大抵診てくれていることに気づいた。断られた時が衝撃的なので、そういうイメージなのである。

 

僕のオーベンは特殊な分野のスペシャリストなので、ある医師を紹介したが、いとも簡単に断られた。よく考えると、患者さんが医師と言う時点でプレッシャーがかかるし、僕より更に年上なわけで、今更、面倒な依頼を断る気持ちはわからないでもない。

 

僕自身がメンタルを病んだ際、自分が治療するわけにはいかない時、ある医師に依頼すれば悔いがないと思っていた医師がいた(過去形)。しかし、その医師に僕の患者さんを紹介した時、やはり、いとも簡単に断られたのである。僕はそれでもめげず、もう一声、特別と言う感じで頼んだがやはりダメだった。

 

自分がアホだったと思うのは、最初にあっさり断られた時、粘る必要など全くないのにそれでも足掻いたことである。断られた理由はおそらくオーベンと同じ理由だと思う。

 

この事件を契機に、「その医師に依頼すれば悔いがない」と言うリスペクトは激減した。「あれほど心を込めて頼んだのに、あの断り方は何なんだ」という感じである。これは、ある意味、普通に戻ったとも言える。なお、それ以降、同門会などで会った時の付き合いが変化したことはない。

 

クリニックに関しては、僕の親しい後輩に紹介するためか、ほぼ断わられることはない。おそらく、断られないので、印象が残らないのだろう。

 

さて、僕が精神科以外の友人から患者さんを紹介される場合、快く引き受けることがほとんど全てである。友人から依頼の場合、うちの病院の他の医師に診てもらうこともできないため、必ず自分が診る。

 

ある時、月曜日に旅行中に友人から電話がかかってきて、「こういう患者さんがいるので診てほしい」と頼まれた。結局その患者さんは翌日に初診を受けている。

 

思えば、こういう八方美人的な対応が自分の悪いところだと思う。必要以上に仕事を増やしているし。このように即診るような対応だと、次々紹介されるようになる。

 

オーベンやリスペクトしていた精神科医が断ったのは、僕以上に自身のこと(特に健康面)を考えていたからこそ、断ったのである。

 

その視点では、自分は彼らに比べて遥かにだらしがないと思う。自分自身を律していない。断れるなら、強く断るか他の医師に任せるべきだ。

 

そういうこともあるのか、新患に関しては、5年くらい前より遥かにたくさんの人を診ている。