微量のロナセンで発達障害の症状が改善する理由 | kyupinの日記 気が向けば更新

微量のロナセンで発達障害の症状が改善する理由

微量のロナセン(ブロナンセリン)を処方することで、発達障害の症状が改善することがある。

 

ここで言う発達障害とは、主に知的発達障害を指しているが、ASDやADHDの症状にも同様に好影響を与え得る。とりわけADHDの人。

 

作業療法などで綺麗に積み木を並べるプログラムがあったとしよう。ある発達障害の人が集中力や正確さがなく、バラバラにしか並べられず、指導してもうまくならない。

 

このようなケースでもし西洋薬を処方するとしたら、ADHD系の薬が選択されると思われる。普通はストラテラ(アトモキセチン)である。

 

抗精神病薬で良さそうな薬は第1感で、レキサルティ、エビリファイ、ロナセンくらいだと思われるが、前者2剤よりロナセンの方が深く効くように見える。少なくとも感覚的にはそうである。

 

例えば、上の症状(上手に積み木が並べられない)などの症状に対し、ロナセンの2㎎かそれ以下の用量を処方すると様変わりし、落ち着いて綺麗に並べられるようになる人がいる。ただし用量が多すぎると、単に副作用が出るだけである。

 

今なら、ロナセンテープを切って僅かの量を処方することも可能である。例えば、ロナセンテープ20㎎を1/4枚貼ると、微量のロナセンを門脈を通過させることなく処方できる。(注意:製薬会社は切って貼付することは推奨していない。用量が不正確になるからであろう)

 

ロナセンテープは剤型㎎の1/5程度の効果を持ち、20㎎の剤型だと4㎎相当なので、1/4枚だと1㎎相当である。しかもロナセンテープの1/4枚(1㎎)は門脈を通過しないので内服よりエフェクティブである。この理由はロナセンテープ貼付はピュアなロナセンが処方できるからだと思う。

 

そもそもロナセンテープは80㎎上限なので、その1/5の16㎎相当しか処方できない。つまり内服より低い上限になっていることを見ても、エフェクティブなのがわかるであろう。

 

なお、ロナセンがなぜ発達障害に対してタスク能力を改善させるかだが、おそらくD3レセプターアンタゴニスト作用によるものと思われる。

 

ロナセンD3アンタゴニストは、遂行機能、学習、認知機能の改善などに関与していると言われている。

 

作業療法中、発達障害の人が僅かなロナセンテープにより、うまくタスクをこなせていることを目撃した時、D3レセプターがどのような意味を持つのか、目視できることに気付いたのである。