レキサルティやエビリファイは透析で除去できない | kyupinの日記 気が向けば更新

レキサルティやエビリファイは透析で除去できない

精神科で透析が出て来る場面の1つに「大量服薬」が挙げられる。ただし向精神薬には透析の意味がないケースも多い。なお、過去ログに出て来るが分子量が小さいことはあまり関係がない。炭酸リチウムは向精神薬の中ではかなり分子量は小さいが、浸透圧の差を利用してうまく血中濃度を下げることができる。

 

さて、タイトルの「 レキサルティやエビリファイは透析で除去できない」だが、レキサルティ、エビリファイとも血中でアルブミンに結合しているためである。ではレキサルティやエビリファイの大量服薬には何を使うかと言うと活性炭である。活性炭を内服し一刻も早く体内から出すしかない。

 

バルプロ酸Naも血中でアルブミンに結合しているために透析で除去できない。つまりバルプロ酸Naの大量服薬の際に透析は意味がない。あまりにも大量に服薬したケースでは、アルブミンに結合していないバルプロ酸Naがあるのでその部分のみ透析で除去できる。

 

このようなことを考えるのは大量服薬の人を診ているからではなく、リエゾンで透析患者さんに投薬するケースが稀ならずあるからである。上の知識は役に立つ。

 

上のような考え方をベースにリエゾンで投薬しているのである。

 

なお余談だが、エビリファイは肝臓で代謝されても代謝物にも同じ活性がある。最終的には糞中とか尿中に排泄される。注意したいのは主代謝物の方が半減期が長いこと。未変化体は尿中には出ていかない。

一方、レキサルティは活性代謝物はない。尿中、糞中に未変化体か代謝物が排泄される。エビリファイとレキサルティはこのような相違がある。