県外からの来院と新型コロナ肺炎 | kyupinの日記 気が向けば更新

県外からの来院と新型コロナ肺炎

この時期、不要な外出は避けたいが、病院に行かないと薬がないのでどうしても1か月に1度は受診しなくてはならない。市内とかせいぜい近郊の市町村だと比較的受診しやすい。こちらも受けやすい。しかし、県外など遠方で、しかもクラスターが起こっている県からはできれば受診してほしくない。

 

さほど感染者が出ていない市だったとしても、うちの病院に来るまで航空機、新幹線、長距離バスなどを使うなら、移動中に本人にも感染リスクがあるし、こちらも嫌である。従って、電話再診にしてしばらくは処方箋を送付する方針にすることにした。これは無診察診療であるが、今なら咎められないであろう。

 

なお、処方箋は患者さんが住む市の精神科病院の門前薬局に行くように指導する。そうすれば、よほど処方されていない薬でない限り当日に手に入る可能性が高い。

 

ちょっと違いがあるとすれば、この方法だと、自立支援法が使えないため、1割で済むところが3割負担になる。新薬など高価な薬だと、2万円近くかかる(日数にもよる)。それでも交通費が必要なくなるため、トータルではおそらく安く済むと思う。

 

県内でも来院するまでJRとかバスとかタクシーなどフルに使って来院する人はこちらも心配である。その患者さんは朝5時半に起きて、やっと11時過ぎに病院に着く。なぜ心配かというと潜在的に市中に感染者がいる可能性の方が高いからである。

 

最初に挙げた人のように、電話で状況を話して処方箋を送付で良いという人は問題ないが、ぜひ受診したいという人もいる。

 

前者の人であるが、当県からたぶん400㎞以上はあるので、僕の気持ち的には、この機会に当地の精神科に転院してほしいと思っている。安定していればそこまで差がないと思うからである。

 

しかし、やっと11時に着く人はダメだ。その人は彼女の住む市内の精神科病院は全て出入り禁止になっているからである。この女性は輪番日に偶然初診し、その日、「この人は良くなるのではないか?」と思ったので転院を勧めた。彼女はその後、発展したのである。

 

彼女は輪番日の初診時、爆弾のようにリスパダールが投与されていた。おそらく8㎎以上処方されていたと思う。(それ以外の抗精神病薬も併用されていた)。体重も80㎏以上はあった。

 

しかし彼女は幻聴があったもののリスパダールなど必要なかったのである。今の彼女のメインの薬はトピナである。現在、彼女にはもはや幻聴はないが、トピナのために幻聴が止まっているとはいえない。他の処方薬も含め総合的な薬効で幻聴が消失したのである。今は体重も60㎏くらいになりここ半年くらいは変化がない。

 

最近、思うことは、現在は日本の国難と言えるような大変な状況なので、法律的制約も緩和するか柔軟に運用すべきだと思う。例えば、ベンゾジアゼピン系眠剤1か月制限などである。

 

他にも融通を聞かせてほしいものとして、運転免許証の更新や税務署の確定申告の期限がある。税務署など期限を3月中旬を4月中旬にしたとしても、新型コロナ肺炎感染予防的には大差ない。

 

おそらく4月10日過ぎには税務署はすし詰め状態になるであろう。

 

参考

内因性幻聴と器質性幻聴

器質性幻聴の消失の経過について