研修医時代、精神科病院にアルバイトに行き驚いたこと(2) | kyupinの日記 気が向けば更新

研修医時代、精神科病院にアルバイトに行き驚いたこと(2)

前回の続き。精神科病院にアルバイトに行った際に驚いたこと。これは主に日勤した時の様子を言っている。夜間の当直だけだとよくわからない。

 

○男性看護師の多さ

これは初めて体験する人には異様に見える。特に閉鎖病棟で平均して病状が悪く、まだ若く男性患者ばかりの病棟だとこれくらい男性看護師がいないと落ち着かないのである。

 

後年、女性看護師が多い病院も経験したが、女性看護師だけだと患者さんに舐められる感じになり(本来出なかったであろう)不穏状態が出現する。中核病院ではそれでも相対的に男性看護師が少ないため、慢性期に地域の単科精神科病院に転院させるのは合理的だと思った。

 

いわゆるヘビーな患者さんを主体に受け入れている精神科病院は更に男性看護師が多くなる。ヘビーな患者さんとは覚醒剤後遺症などである。暴力団関係者などが多くなり、男性看護師も格闘技でもしていたかのような体格の人が結構いたのである。

 

やはり精神科病院は棲み分けがないと、このタイプの人を1人か2人くらいならともかく、病棟全体がこうだと、普通のサラリーマンや主婦が入院させられない。ちょっと変に思えることも実際の状況を見るとやむを得ないと言えた。

 

あと、総師長(総婦長)に相当する人は男性であることが多く、看護長と言われていた。

 

これじゃ、精神病院は刑務所と変わらないと思うかもしれないが全然違う。刑務所にも勤めたことがあるが、刑務所は収容し仕事をさせることが主で病院と言う要素がほとんどない。また食事や日頃の生活の緊張度が段違いに異なる。ある患者さんはどちらも経験したが、刑務所と比べると「精神病院は天国」なんだそうだ。(実話)

 

時代が変わり、今は精神疾患は軽症化し、また相対的に高齢者が多くなっているので、女性看護師主体でもかなり対応できるようになった。また若い患者さんは、男性看護師ばかりの病棟だとかえって落ち着かないケースもあると思われる。これらは病院側でも個々の患者さんに応じて病棟を選んでいると思う。

 

1つ言えるのは今でも高齢の入院患者さんが多くなっているので、ある程度力のある男性看護師もやはり必要なことである。女性看護師さんは介護、看護のために結構腰を痛めている。