自立支援法受給中の人が盆休みに外来受診すると普段とどう違うのか? | kyupinの日記 気が向けば更新

自立支援法受給中の人が盆休みに外来受診すると普段とどう違うのか?

民間病院ではお盆は数日休診になることが多いが、公的病院は意外に休診にならない。この時期、かかりつけ医に受診せざるを得ない際、民間病院だと休診日だが受診ができることがある。

 

その理由は精神科医師が日勤当直していることが多いからである。「できることがある」と書いたのは、クリニックだとほとんど受診できないと思われるし、精神科医が病院内にいたとしても輪番病院に受診するように言う病院もあるからである。

 

受診せざるを得ないとはどのような時かといえば「盆休み前に薬を貰い忘れた」が多い。1か月~2か月処方の人にある。また、盆休みは外来が開いていると思っている人もいる。他、「どうしてもアナフラニールを点滴してもらいたい」「エビリファイLAIの筋注の時期」などもあるが、今の精神科病院外来ではLAIを除き、あまり外来で注射の治療をしていない。

 

さて、自立支援法受給中の人は自己負担が1割で済むが、病院内で処方してもらうと3割負担となる。これは院外処方箋で薬を貰う薬局は概ね1つと決められているためである。したがって多くの日数貰えば貰うほど高くなる。お盆休みに受診すると休日加算190点(190円)に加え、薬代がいつもと比べ高価になるのである。

 

ここで注意したいのは2つ。1つは院外処方の薬局を2つ指定できると都道府県があるらしく、この場合、1つを精神科病院に指定してれば1割負担で済む。このケースは「薬を多くの日数貰えば貰うほど高くなる」にならない。

 

また、病院内の薬局は院外の薬局に比べ多くの剤型が揃っていないため、同じ剤型が処方できないことも多い。例えば、うちの病院の院外薬局ではクエチアピンは12.5㎎、25㎎、50㎎、100㎎、200㎎の剤型があるが、院内薬局では12.5㎎、50㎎は置いていない。コンサータも院内薬局では全ての剤型が揃っていない。

 

診察自体やエビリファイLAIなどは1割負担で済むため、いつもとほとんど変わりがない。(休日加算だけ増える)

 

もし薬を貰い忘れた場合、週明けに受診することにして数日分だけ薬を貰えば最も節約できる。院内の職員の負担を考えてもその方が助かる。

 

ジェネリックは薬価がそう高くないため、シンプルな処方で病院まで往復するのにコストがかかる人(往復5000円以上かかるなど)は、例えば30日分貰ってもその方が安くつくかもしれない。

 

もちろんお盆休みに受診すると主治医がいないことの方が多いので、薬以外にもデメリットはある。

 

自立支援法受給中の人がお盆休みに再診する際、注意しておけばいつもと比べても大きな負担にならないことがわかる。問題はむしろ受診できるかどうかだと思われる。