ジプレキサ経口剤の公知申請について | kyupinの日記 気が向けば更新

ジプレキサ経口剤の公知申請について

 

たまに公知申請について紹介してほしいと言うアメブロメールが来ていた。今回、ジプレキサの経口剤が、「抗悪性腫瘍剤による消化器症状(悪心嘔吐など)」の効能効果の公知申請を行っても差しつかえないとされ、ここに資料をアップしている。

 

公知申請の公知とは、数学の「公理」のような意味合いがあり、既に海外で承認、使用実績、効果を証明する根拠の資料が手に入る状況にあり、従来行われていた臨床試験の全てないし一部をしなくても効能効果が承認されるといったものである。もちろん、レセプトでも査定されなくなる。

 

一般に抗がん剤など使用すると食欲が落ち、体重減少するのが一般的で、それはこれら薬物の悪心嘔吐が原因であることが多い。これまで内科医により、もドグマチールなどがこのような際に使われているのをリエゾンの場面で良くみていた。

 

ジプレキサは非定型抗精神病薬なので、内科医、外科医にはやや敷居が高い薬だと思われるが、リエゾンの場面で、臨床的には適応外処方で少量投与で従来も使われていたように思う。

 

これらの公知申請が行われることがあるのは、日本で本格的に臨床試験をするには時間がかかりすぎることも大きい。平均的に、海外で発売されて数年後に日本で承認されるパターンが多く、この時間差をドラッグラグと呼ぶ。

 

実際、エビリファイは大塚製薬の創薬だが、まず海外でアビリファイという商品名で発売された後、数年たち日本で承認されるという奇妙な段取りになっている。