シクレスト(アセナピン)2016年5月26日発売予定 | kyupinの日記 気が向けば更新

シクレスト(アセナピン)2016年5月26日発売予定

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以前、アセナピン(商品名;シクレスト)が6月に発売という記事をアップしたが、少し発売が早まり来週木曜日、2016年5月26日に発売されることになった。

上の写真は5㎎のサンプルで、実薬という話。剤型は5㎎と10㎎があり、ザイディスのような形状になっている。1日2回舌下投与で1日10㎎か20㎎服用する。

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これは10㎎のサンプルである。面白いことにほぼサイズが変わらず、表面の5と10の数字だけで区別されている。実際、直径12mm、厚さ3mmで、重さだけは10㎎錠の方が重い。(25㎎と31㎎)

色の相違もなく、白色ないし灰白色である。

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シクレストは、ジプレキサ、セロクエルなどのMARTA系の非定型抗精神病薬にカテゴリーされるが、糖尿病に禁忌ではない。なお、クロザリルは原則禁忌なので、糖尿病の人には最も使いやすいMARTA系の非定型抗精神病薬といえる。

シクレストは、かつてオランダのオルガノン社により創薬されている。構造式は4環系抗うつ剤に似ており、実際、シクレストは、抑うつや不安症状にも効果が期待されるようである。

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日本での適応は統合失調症に限られるが、世界的には統合失調症および双極性障害に対して有効とされる薬物である。

2009年にアメリカで世界で初めて統合失調症と双極1型障害に適応を認められた。一方、EUでは2010年に双極1型障害の適応を認められており、統合失調症には適応がないようである。

なぜか日本は統合失調症のみの適応で発売される。おそらくジプレキサのように、今後、双極性障害の適応も取得すると思われる。

この薬は舌下錠なので服薬には多少スキルが必要である。服薬後、10分間は飲み食い禁止だからである。(服用後、10分間は飲食、歯磨き、うがい禁止)

シクレスト以外に例えば抗不安薬を一緒に服用する場合、まず、抗不安薬を服用し、その直後にシクレストを舌下に置き、10分間何も飲み食いしない方法が良いと思われる。

シクレストは国内長期試験の際、食欲亢進の副作用が出た人が2週目以内に1名のみで、その後、52週までゼロだったらしい。その点でも従来のMARTA系とはかなり印象が異なると思う。

参考
シクレスト(アセナピン)2016年6月発売の見込み
ジプレキサとセロクエルは糖尿病では原則禁忌に変更してほしい話