2016年初日 | kyupinの日記 気が向けば更新

2016年初日

もう日が替わってしまったが、今年は1月4日が仕事始めの病院が多かったと思う。毎年、正月明けはまだ一般企業で仕事が始まっていないことや、学校がまだ冬休みなことから、朝、道がガラガラなことが多い。まだ正月休み中の人たちが多いのである。

年末年始、街に出てみたら結構な人出があったものの、車が駐車できないほどではなかった。正月は帰省している人たち(学生も含む)の相対的出入りからすると、いくらか瞬間的人口は増えているはずだが、ごった返す街まで出てくる人はそうはいないのかもしれないと思った。自分たち夫婦だが、

地元のホテルに泊まってみましょうか?

というプランがあったが、全然空いていなかった。なぜホテルなのか言えば、ホテルにいれば、おせち料理など特別な食事を作らなくて良いし、らくちんだから。しかし、ケーブルテレビで年末年始の面白い番組はリアルタイムでは観られない。

しかし、ホテルは全く空いてなかったのである。これは単に観光客が多いのとも異なり、自分たちと同じ発想の人々が多いことと関係していると思った。

例えば、自分の実家及び近郊では、本来、観光都市ではないこともあり、高級ホテルはおろか中級ホテルすらなく、ビジネス向けのいわゆるシングル中心のビジネスホテルしかない。しかも年末年始はこれらのホテルすらほぼ満室である。また、いわゆる「かんぽの宿」関係の旅館風のホテルも満室でキャンセル待ちなことが多い。

これは、実家があったとしても両親が高齢で、もはやおせち料理などでもてなすことなど無理な家庭も多くなっているのである。しかも現在、そのような境遇の人たちは兄妹が少なく、誰一人地元では生活していなかったりする。

したがって、家族で近くのホテルや旅館で、年末年始、ゆっくり温泉でも入りましょうか?と言う話になる。

つまり、日本の高齢化社会への変貌と関係が深いのである。

このようなことから、帰省するにしても両親が介護施設などに入所していたりすると、自宅では自分たちだけでは過ごせないということになる。(普段全く使わない実家を急に稼働させるのは難しい)

年末年始、帰省を諦めた人も多かったのかもしれない。介護施設を訪れるだけあれば、年末年始に帰省する意味は薄く、むしろ避けやすいからである。

今年、紅白歌合戦の視聴率の最低記録が出たことも、これらに関係しているのではないかと思った。

ところで、今日仕事始めだったが、新患の多いこと。ちょっと驚きだった。基本的に自分はのべ患者数が膨大なので新患は受けない方針だが、それでも同時に新患が来院すれば、待たせるのは良くないので自分も新患を受ける。

今日はそのようなタイミングが3回もあったため、3人の新患を診た。なぜ自分の病院を選んだか聴くと(良くある質問)、1名は遠方の人だったが、誰か自分の部下の患者さんの知り合いの紹介だったらしい。近所の人が2名で、彼らは電話帳やインターネットの病院紹介で調べて来たそうだ。

今は精神科病院も、初診は予約制であることも多く、その日に診てくれない病院も多い。うちの病院に新患が集まったのはそのような理由もあるのであろう。今日の自分の新患の特徴は、お年寄りが全然いなかったことである。

現代社会では、精神科新患ですら高齢化が進んでいる。