日本人の喫煙者率が下がっている話 | kyupinの日記 気が向けば更新

日本人の喫煙者率が下がっている話

JTのホームページの資料によると、日本人の喫煙者率は男女とも少しずつ低下しているようである。最新の資料では、2014年の喫煙者率は、男性30.3%、女性9.8%で、男女計19.7%と20%以下になっている。

5年前の2010年は、男性36.6%、女性12.1%、男女計23.9%だったので、けっこう急激な減少ではないかと思った。これだけ減ると、将来的医療費削減にも多少は好影響を与えるのではないかと思われる。

最近、福岡市に旅行した際に、グランドハイアットに宿泊した。グランドハイアットの客室は喫煙室と禁煙室に分かれており、最初、客室に案内された際、室内になんとなくタバコ臭があり、気になる旨伝えると、すぐに禁煙室に変更してもらった

案内の人によると、その部屋は通常は喫煙室なんだそうだ。なんとか消臭しても痕跡が残っていた。福岡市のグランドハイアットでさえ、なんと全ての客室のうち50%は喫煙室だという。このようなところが、日本は未だに激しくアジアしていると感じる。

特に先進国の海外のホテルではなかなか喫煙できなくなっているのに対し、日本は喫煙者に優しい国だと思う。日本では何も考えず路上で喫煙しても、ほぼ犯罪にならない。

今はヘビースモーカーの人は、ハワイやオーストラリアのホテルだけでなく路上でさえ、相当に不自由するようになっている。(まず航空機で現地に着くまでが拷問)。

オーストラリアの海岸を散策していた時、喫煙している夫婦をみたことがある。なんだかすごく新鮮で、よく考えると、そういう光景を滅多に観ないことに気付いた。オーストラリアでは、たばこがかなり高価なこともあると思う。

また、海岸線に面した喫茶店風のレストランでは、屋外に出て海を見ながら喫煙できるスペースが設けられている。なんと、その日、ずっと観ていたら、ここに出てきて喫煙するのは日本人の旅行者しかいなかった。

日本のホテルが全室禁煙にできない理由は、今も日本人男性の30%ほどが喫煙者であることや、特にアジアからの観光客に、居心地が良いように配慮しているのもあるのかもしれない。

医師は昔は平均して喫煙者が多い印象で、僕の親しい友人では吸わない人は自分を含め2名しかいなかった。医師だけでなく、他学部の学生も結構喫煙者が多かった。

従って、友人の下宿に遊び行くと、たばこの煙で向こうが見えない!と言う、まさに雀荘やパチンコ屋の様相を呈していた。

ところが、最近の若い医師は喫煙者がずっと少なく、また、医学部に限らず学生の喫煙率が減少し、将来、団塊の世代以降の高喫煙者率の人たちが相対的に減ってくると、日本の喫煙者率はかなり下がるのではないかと思っている。

現在は、医師の喫煙率8.3%と一般の人口に比べずっと低くなっている。これは年配の禁煙ができない医師たちも含めてこの数値なので、若い人に限れば20人に1人も喫煙しないのかもしれない。

たばこは周囲の人が吸わなくなると、その臭いが非常に気になるものだ。当時、学生時代、周囲の人がいかに吸おうが気にならなかったが、今はホテルの部屋の中に僅かに残るたばこ臭でさえ気になる。

しかし、今でも周囲の者が圧倒的に吸っている空間では、「これは仕方がないかな」と思う。たばこ臭がさほど気にならないのである。

昔の精神科病院は、大勢の患者さんが喫煙し、男性では吸わない人が稀と言った感じだった。しかも設備なども分煙しておらず、畳の病室では畳の上に多数の焦げの跡が残っていた。

自分の世代の精神科医は、パチンコ屋のごとき、たばこの煙の中で診察していた。それどころか、周囲の特に男性看護師も、診察している横で、気にせずたばこを吸っているような環境である。(精神科病院では男性の看護師が他科に比べ多い)

患者さんたちも、デイルームで普通に喫煙していたので、靄がかかっていてむこうが見えない状態だった。

自分は職業柄というのもあるが、そういう時代を経験しているので、たばこに関しては二重基準なんだろうと思ったりする。

参考
タバコ
マイルドセブン1日40本
タバコを吸うと幻聴が出るという話
ブプロピオンと禁煙
タバコは1000円になっても僕は吸いますよ
医師と海外旅行
考察、「ジェネリックの都市伝説」