過食に対するトピナの作用は副作用ではない | kyupinの日記 気が向けば更新

過食に対するトピナの作用は副作用ではない

過去ログで、どこだったか忘れたが、過食症に対するトピナは、その副作用を利用しているといった書き方をしている。これは初期には確かにそういう面があるが、たぶん誤りである。

長くトピナを使っていると、過食の抑制はトピナの副作用には見えない。

その理由だが、トピナによる食欲不振は長期的には慣れが生じて薄れていくが、過食症に対する効果は持続性及び再現性が高いからである。

また拒食・食欲不振状態に他の理由でトピナを使わざるを得ない際に、拒食、食思不振が急激に改善することすら経験する。

おそらく、過食に対するトピナの薬理作用は「トピナは精神的渇望に有効」から来ている。

ラミクタールは体重を増加させず、また薬物的に過食を引き起こすこともないが、過食行動に対しては抑制効果が乏しい。つまり積極的に過食を抑えたりはしない。

しかし、精神的渇望はある精神疾患ないし障害から来るものなので、それ自体が改善すればもちろん緩和する。先日アップした「強迫症状はどう治れば良いのか?」のメカニズムに似ている。

つまり、ラミクタールで精神症状が全般に改善し、その結果、過食症状が緩和することはありうる。

「過食」を精神的渇望の緩和を通して改善する薬物はトピナとブプロピオンである。

ブプロピオンはうつには腰折れしやすいが、過食程度なら減弱するもののある程度効果が維持できる。これはブプロピオンの薬理作用のポイントが「うつ」と「過食」でやや異なるのではないか?という推測も可能だ。

トピナの過食に対する作用はブプロピオンに比べ強力だし、また持続性にも優れている。過食に限らず、渇望を背景とする精神症状に有効なものは極めて少ないが、トピナはその中では傑出してる。

ある読者の方がアメブロメールで書いていたが、トピナのジェネリックでは過食に対する効果に若干相違がみられるという。特定のジェネリックの方が日本の先発品のトピナより効果が優れることもあるらしい。

参考
精神的渇望とトピナ