精神的渇望とトピナ | kyupinの日記 気が向けば更新

精神的渇望とトピナ

トピナで治療をしていると、この薬物は「精神的渇望」に有効なことに気づく。

精神的渇望とは、アルコール、タバコ、過食、ギャンブル、買い物依存など多岐にわたる精神症状である。

特に、アルコール依存とギャンブル依存および過食症はトピナをベースに据えることでかなり症状が改善することがある。

アルコール依存症やギャンブル依存症の人たちは他院で実施されている断酒会などに紹介するが、そこでもうまくいかないことも多い。

AA(アルコホーリクス・アノニマス)やGA(ギャンブラーズ・アノニマス)はある程度、意思が強くないと続かない。モチベーションが低い(つまりヤル気がない)人は断酒会に参加しても、他の患者さんに迷惑がかかるだけである。

これはギャンブルについても同様である。

トピナはアルコールに対する渇望(ある種の飲酒の発作)を減少させる。またギャンブルもそうである。

さすが、抗てんかん薬だけのことはある(←謎)


例えば躁うつ病では、アルコール依存やギャンブル依存が合併することがある。気分安定化薬などで他の精神症状が寛解しているのに、この部分だけ島状に残ることがある。

このパターンは、仕事はできるようになっても、不適応が残ってしまう状態である。これは社会的には治っていることにならない。

これで、何度、奥さんに泣かれたことか・・

彼ら(彼女ら)にトピナを処方することで、かなり症状が改善することがある。僕はトピナで改善したとしても、AAやGAには参加を続けるように勧めている。(たいていの場合、続けるように強く命じる)

しかし・・
その後、全く行かなくなる人がほとんどなのである。

確かに良くなってしまえば、参加するモチベーションはかなり低くなるような気はする。

ある時、元ギャンブル依存の人が久しぶりにGAに参加したらしい。参加後、彼の感想を聴いたところ、GAの人たちの話を聞いているうちに、自分がいかに良くなったかを実感し感激したと言う。その後、彼はGAに参加することはなくなった。

全くトピナはたいしたものだよ。

トピナはある意味、ハードに切り込み、人の脳を改造するような薬物である。(参考


参考
トピナのテーマ
徒然なるままにアミスルピリドとロナセン
リフレックスの悪夢とトピナ⑨