韓国vsウルグアイ | kyupinの日記 気が向けば更新

韓国vsウルグアイ

昨夜の韓国vsウルグアイ戦だが、ウルグアイが早い時間に得点したため、非常に慌しい試合になった。

ウルグアイは攻撃のタレントが揃っているブラジル、アルゼンチンなどの強豪と南米予選を戦っているのもあり、

堅く守って一発カウンター!

の戦術が徹底していたと思う。今大会、予選グループのメキシコ戦でも、前線の3人でうまく攻撃の形を作り、たった1点で逃げ切り勝ちしている。

早い先制点のため、ウルグアイは受けているというか、韓国に攻めさせていた面はあったと思う。前半、韓国のDFのハンドでPKを取られてもおかしくない場面もあり、ウルグアイも良い攻撃も見せていた。しかし、後半同点になるまでは韓国にかなり攻め込まれていたと思う。

あの試合を何の先入観もない人が観戦していたら、どちらが強いのかわからないくらいの試合内容である。

解説のNHKの山本昌邦氏は、

これはウルグアイのペースです。

などと話していたが、ちょっとそれは違うのではないかと思った。特に後半、ウルグアイは度々攻め込まれて、韓国に1対1の決定的場面も作られている。単に韓国の前線の選手がシュートを打ち損じていただけである。

1対1のピンチを招くとか、セットプレーで間一髪の場面を作られるのは、自分のペースとは言わない。

相手に持たせていても、遠くから仕方なくミドルを打たせているのなら、守備的布陣が効いていると言える。しかし、あれだけ大ピンチを招く展開なら、韓国にかなり押し込まれていたと言う表現の方が正確である。まず「ウルグアイ=強豪」という解説が良くないのである。

ウルグアイはここ30年くらい、ろくにワールドカップ本大会に出てきていないし、本大会でも好成績を収めてはいない。

ウルグアイのワールドカップ成績
1982 - 南米予選敗退
1986 - ベスト16敗退
1990 - ベスト16敗退
1994 - 南米予選敗退
1998 - 南米予選敗退
2002 - 予選グループ敗退
2006 - 大陸間プレーオフ敗退


なぜこんなことを言うかといえば、NHKはいわば国営放送の解説なので、韓国のマスコミも関心があるし注目している。それを配慮すべきという意味である。

韓国は後半、度々決定的場面を作り、やっとセットプレーで得点する。セットプレーではウルグアイ、パラグアイはヨーロッパの選手ほど背が高くないので、FKはかなりチャンスになる。この試合に限れば、セットプレーのFKは韓国は当たっていなかった。ポール直撃が1度あったくらいで、他は壁を越えないか、ホームランであった。

韓国は失点してからが全く落ち着かなかったと思う。パク・チソンは存在感のあるプレーヤーだが、あのような攻撃的選手がキャプテンだとああいう試合になりやすいのかもしれないと思った。キャプテンはやはり守備的選手の方が、特にアジアの国の場合は良いのかもしれない。

前半8分に失点し後半の68分に追いつくまで、韓国はずっと前掛かりでかなりの運動量だった。やっと同点に追いつき、疲れが出てやや脚が止まったように思った。韓国は、同点にして一服した感じになったのである。

ウルグアイのようなチームに先に2得点されるとほぼ負けが決まる。だから、あのように慌てふためいて攻めるのではなく、更なる失点を避け、前半は0-1でも良しという感覚のほうが良かった。あれでは体力を消耗しただけである。

その消耗が終盤のシュートミスに繋がったと思う。1対1でシュートが当たり損ねて、そのためかえってキーパーの脇を抜けたのに、スピードが緩んだためクリアされたのは本当に惜しかった。

後半80分のスアレスの2本目のゴールはワールドクラスで、今大会のベストゴールの候補に挙がるほどだと思う。この辺りの決定力はたいしたものだ。

あの試合は雨が降っていたのも韓国には不利だった。普通、サッカーでは雨が降ると技術の差がより明瞭になる。北朝鮮がポルトガルに大敗したのは雨が降っていたことも無関係ではない。

韓国がウルグアイと雨の中あれほど遜色なくプレーできていたのを観ると、やはり今回のチームは歴代最強だと思った。

今大会、韓国は4試合戦い、ギリシャ戦以外の3試合で先制され後手に回っている。ナイジェリア戦ではなんとか2-2で終わりベスト16進出果たした。ワールドカップ本戦で先制点を入れられると、その試合に勝つことは非常に厳しい。これは統計的にも逆転勝ちが極めて少ないことでも窺える。先制点を入れたのに逆転されるのは、ドイツ大会の日本くらいのものである(2試合逆転負け)

これは韓国のディフェンスの力量、あるいは集中力がいま1つなのか、監督の戦術、指示に問題があるかどちらかである。今大会、韓国の強さが100%発揮されたとまでは言えないと思った。

この試合は観ていて疲れる試合だった。決勝トーナメントになると、観戦する方もヘトヘトである。