今日のテーマは、「方法記憶」です。(第94号)
知識記憶と経験記憶について以前紹介しましたが、
もう一つ、方法記憶というのがあります。
知識記憶と経験記憶は主に「アタマで覚える記憶」ですが、
「体で覚える記憶」というものです。
例えば、ボールの投げ方、箸の使い方などです。
「HOW TO記憶」ともいえる、ものごとのやり方を覚える記憶です。
この記憶の特徴は二つあります。
一つ目は、無意識になされる記憶であることです。
何度もやっているうちに身につく、まさに体で覚える記憶なのです。
二つ目は、この記憶は忘れにくくて根強いことです。
自転車の乗り方など一度覚えたら、長いブランクがあっても、
すぐに思い出すことができます。
この方法記憶は、魔法の記憶と呼ばれるほど強力でもあります。
これを勉強に応用できれば、天才の領域に達します。
一つの分野を極めれば、他の分野の理解が間単になるという話を
以前にも書いていますが、このとき方法記憶を使っているのです。
「理解の仕方」を覚えることで、
その方法記憶を使ってほかの分野の理解を深めます。
意思とは無関係に方法記憶は活動しているのです。
覚えている知識をいかに活用するか、
その方法を記憶することが重要なのです。
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編集後記
北日本には冬将軍がまたやってきました。
寒い日が続きます。
乃木大将の手紙が発見されました。
「二人の息子を戦士させても、面目保てた」
戦死した将兵や天皇陛下に申し訳ない、
二人の息子が戦死したことで
一代で家が断絶するので面目を保てた、
養子は要らないと書いてあったそうです。
この後、明治天皇に殉死されることを思うと、
その凄絶な生涯に胸が痛みます。