湯船に浸かった気持ちの温度
伴なり下がってゆく熱は、抜け出せないぬるま湯を沸かす
静寂の中の騒音を
あがってゆく気持ちが聴く
感情の最果ては虚無
何も感じない
感じすぎて感じない
騒音の中の静寂を
さがってゆく気持ちが聴く
悲しさの極限は可笑しさ
泣きながら笑い
笑いながら泣く
集まっては白をつくる光を
かさねては見せびらかし
集まっては黒をつくる色を
まぜては隠し
うたた響く音
吹きすさぶ風
さんざめく光
目をつむっては感じ入る
もっといい音を
もっと心地よい風を
もっと柔らかな光を
わたしは、届けたい。届けてみたい。