四国お遍路を志し「①霊山寺」から「88大窪寺」までを43日間かけて
「歩き通し」ました。標準は、40日なので標準よりは、遅かったです。
実際に「歩き通して」体験した事等を、思いつくまま書いてみました。
私は「お遍路」って、殆どの方が「四国88か所」を「歩き通される」ものだ
と思っていましたが、いざ始めてみると、90%以上の方が、旅行会社の
ツアーバスかマイカー利用の方でした。「歩き遍路さん」も「札所近く」まで
は「電車・バス・タクシー」を利用される方が殆どで「厳しい峠越え区間」は
トンネル通過で、ショートカットする方も、多かったです。でも無理せずそれぞれ
が、自分にあった方法で巡礼し「達成感に浸る」のが、四国遍路だと思います。
遍路道で、一番厳しい「焼山寺道」
大雨にも会います。
歩くコースは、諸説ありますので「遍路道保存協力会」が発行する地図本
に「準拠して歩く」のを、お勧めします。この地図に準拠した「モバイル版」
もありますので、スマホに落とし込むと便利です。「遍路道」は、同じ所
でも、複数のコースがある場合がありますが、どちらを進むかは、自由
です。自然災害や工事等で突然に、通行止めとなるケースもありますので、
常に予定通りには行かない事を念頭に、緩めの行程とする事が大切です。
随所に写真のような「道標」や「方向標識板(シール)」があり、地図なしでも
歩けますが、かと言って地域によっては「何もない所」があり、地図は必須です。
「納経帳」は、いろんな種類や価格がありますが、私は軽くて安価な
ものを購入し、長旅ですから「ビニールに入れ」て保管しました。
「歩き遍路」の中には、歩く事を目的としており、
そもそも「納経帳」を、持っていない人も結構いました。
宿は、札所の寺が経営する「宿坊」や「遍路宿」が便利ですが、当たり外れ
があり、中には酷い扱いをされる所もあります。私は、ビジネスホテル
がある所は多少遠くても、そこを利用しました。要は熟睡できるかです。
遍路宿「八丁坂」では、随分お世話になりました。
参拝方法や礼儀作法については、四国札所の「権威づけ」の為に
寺側が、ネットで周知したり、境内で掲示したりしています。
しかし参拝者に、あれこれ求める寺側が「厳格か」と言うと、
そうでもないです。境内では、それぞれが自分流に参拝されており、
私は「般若心経」を「本堂」の横で唱え、参拝としました。
遍路姿も、各自様々ですが、遍路服は歩き難いですので、私は着用せず、
更に荷物を軽くする為に、杖は傘で代用し、下着類は2~3枚を洗濯
したり、新品を購入して交換しました。大きな大きな荷物を背負った、
歩き遍路さんが、高知県に入るまでに、脱落して行くのを何人も見ました。
長い期間を毎日歩くので、荷物は軽く、日程は緩め、が鉄則です。
私の遍路姿。杖は傘、サングラスは虫除けです。
費用的には、無料の「善根宿」を利用すると、少額で済みますが、私は
「歩き切る」為には「熟睡する」事が秘訣と考え、善根宿等は利用せず
遍路宿・ホテルや、場合によっては、和風旅館も利用しましたので「70万円位」
かかりました。何に使ったか、判らない出費も多く、それなりにかかりました。
『最後に』
遍路道を「歩き通す」のは「極めて苦しい」です。私は二度としません。仮に、
次にお遍路する時は、何回かに分けて(区切り)遍路し、適宜、交通機関を利用
しようと思います。遍路服は、歩き通すには不向きですが、交通機関等を利用
した遍路をする人には、遍路さんだと判り、何かと便利で、上衣はお勧めです。
遍路道を「ショートカット」せずに、歩き通す遍路さんは、殆どいません。
私は80歳を前に、その一人になれた事は誇りでもあります。二度と、しませんが。