秋のような
それでいて
もの悲しさのない
清々しい風が
ふいてきました。
偶然にも
天候がそんな感じになりましたが
ぼくが感じたのは
『コクリコ坂から』という映画のエンドロールを眺めているときでした。
テレビのCMで
「大切な人と観てください。」というコピーが印象的で
実は
時代背景がぼくの生まれる一年前、そう東京オリンピック開催の一年前であることと
ウィスパーボイスが極まってきた手嶌葵さんが歌う、これまたとっても心に刺さるノスタルジックなメロディーの主題歌
この二つくらいの情報しかインプットしていなかったのですが
ずいぶん前から妻と娘に
「この映画は、いっしょに観に行こう。」と宣言していて
理由もなく
そんな風に宣言していて
かといって変な義務感みたいなものもなく
ただただタイミングを待っていたのです。
ぼくらよりも15歳くらい年上の方々、そう団塊の世代と言われている人たちが中学生だった頃の
まっすぐさ
自己責任という言葉は好きではないのですが
イイ意味で、自分が始めたことに対するけじめのつけ方が明快な様子や
秘めた強さ
真摯な姿勢
誰かが誰かを引き立てるために存在しているのではないという
それぞれの個性、アイデンティティ
とにかく
爽快。
そう
駆け引きみたいな
小手先のテクニックを競うっていうんじゃない
芯が太くてしなやかな
健気(けなげ)さ
坂本九さんの「上を向いて歩こう。」も効果的に
そして
決して他人ごとではないポジションからの
心強いエールとして
響いてきます。
この空気感を
きっと今回の震災前に企画され
震災の最中にも制作が続けられていた
この映画の
高原をサラリと
そしてゆっくりと駆け抜けていくような
風を
大切な人と
感じることができて
しあわせでした。
ジェットコースターに乗っているような作品も悪くはないし嫌いでもないですが
奥ゆかしいというか
胸がキュンとするような
鼻の奥がツンとするような
リアルを知らないのに
どうにも懐かしいような
大好きな映画に出会えて感謝です。
目標達成に必死になって
熱くなって暴走するようなことのない
心地良い
風
This is HASHIMOTO☆QUALITY