エキセントリックに食べること | エキセントリックソリューションズ(株)          代表取締役社長のブログ

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ニュース以外のTVプログラムで


驚かされること、ほとんど無いのですが


久しぶりに驚愕の域に達しているのが


WOWOWで放送されている


ジェイミーの食育革命 in USA! (原題;Jamie Oliver's FOOD REVOLUTION)です。


イギリスのエセックス州出身の料理人。(1975年生まれ)


16歳でWestminster Catering Collegeに進学。英国内とフランスのレストランで調理師としての経験を積み、ロンドンに戻ってからは菓子職人の責任者として働き、その後、有名レストランRiverside Caféで、異例の若さで副責任者に昇進。


そこに、英国で人気の料理番組「Two Fat Ladies」のプロデューサーが、ドキュメンタリー番組の取材に現れる。


ジェイミーの個性に目をつけたプロデューサーは、当時21歳のジェイミーを、旧来とは違った新しいタイプの料理ショーの主役に大抜擢。


その番組「Naked Chef」は、ラフなヘアスタイルとファッションの「一見、今どきの若い男の子」なジェイミーが、テンポ良く今風の喋りを交えながら、誰でも簡単に出来そうな料理を作るのが新鮮な印象を与えて大人気となる。


2005年から、ジェイミーは、英国の学校給食改善運動「Feed Me Better」キャンペーンを推進し、再び政治のスポットライトの下に立つ事となった。チャンネル4と提携して行ったこの試みは多くの英国人の関心を集め、ジェイミーは25万人の嘆願署名をブレア首相に提出。学校給食の質の向上を約束させるに至った。


この成功事例を肥満体国であるアメリカのウェストバージニア州の小さな町ハンティントンの小学校の給食メニューの改革に横展開していくというプログラムです。


何が驚いたかというと


アメリカの食生活の現実です。


多少の演出はあることは承知の上で観ていてもリアルは垣間見えています。


ジェイミーが訪れた小学校では、子供たちが朝からピザを学校の食堂で食べていたり、飲んでいるのはチョコレートやイチゴ味のいわゆる「色素と砂糖とフレーバーで味付けされた」合成ミルク。

生野菜やフルーツなどはまったく用意されず、登場するのはフライドポテトやインスタントのマッシュポテトという胸焼けのもとのオンパレード

ランチはチキンナゲットなどの揚げ物(しかも冷凍食品を揚げただけ)ばかり。


給食を作る厨房に、野菜やフルーツなどは一切置かれていず、職員のオバサンたちはただひたすら冷凍食品を加工調理しているというありさま


もちろんこの地域の生活環境が裕福では無い環境だということの裏返しなのはいうまでもなく、学費や給食費の感覚や考え方も日本のそれとはずいぶん異なっていることがわかったりもします。


そして意識改革のプロセスのひとつとして、その小学校の1年生にたくさんの野菜を見せて、その野菜の名前を聞きました。


トマト、ジャガイモ、カリフラワー、ナス、ブロッコリー


20人くらいいる生徒の全員が、ものの見事にひとつとしてわからない。


それやりすぎでしょって思うようなことが、逆にリアリティを増します。


トマトケチャップは知っているけどその原材料のトマトを知らないみたいな現実。


薄々感じていたことが現実として目の前にさらされるとウソだろって思ってしまうくらいです。


医療制度の問題もあるのかもしれないのですが、ある肥満一家に確認したら、子どもに健康診断を受けさせたことが無いと言い、子どもが糖尿病予備軍であることを知り、ようやく食生活の改善に着手しようとする。


これだけ情報が溢れていてもネガティブな部分にはスポットライトが当たることが無くて


都合の悪いことイコール隠してしおきたいことという


いわゆる「大人の都合」というか、人間のエゴというかが


深刻な問題を覆い隠してしまっているという


恐ろしいリアルが浮き彫りにされていたりもします。


ぼくも大学の専攻が食品関係であったので、「食」に関するアンテナが、かなり高く広範囲で張り巡らされているので


食べることが大好きなことはもちろん


食育という考え方にもとても興味があったりするので


この番組もただのエンタテインメントではなくて


貴重なソリューション(解決策)の種になっていたりもします。


この番組の主役であるジェイミーには健康な食品を提供したいと言うポリシーがあって、今までも、ネッスルとコカコーラからのCMキャラクターの依頼を断っているとのこと。このあたりの頑固さやこだわりが非常に小気味良いところでもあったりします。

日本は「食の安心安全」に対する考え方が世界一とも言われています。


それでも女性の社会進出やコールドチェーンの普及などもあって


簡単でおいしい食事が市民権を得ています。


その反面、若年層の肥満や糖尿病も劇的に増加しています。


食べることは生きることです。


これが生産と消費の縮図とも言えます。


今回の災害の惨禍を前に、消費を促す言説が流布しているのは、消費それ自体が美徳である旨の錯覚を人々の胸中に定着させることで一定の利得を得る人間がいるからだという人がいます。


それを声高に叫ぶ人種のアタマの中は、生産と消費が極大化すれば、それだけ国民の幸福が増大することになっているのだと。


より高カロリーな食品をできる限りたくさん摂取して、それでも太らないためにジムに通うみたいな生活が最高で、その生活を支えるべく、睡眠時間を削って大車輪で働くことが、より実り多い人生の秘訣であるといった調子のエンドレスなお話だというロジックです。


おもしろい考え方だと思います。


好きなモノ、おいしいものをお金の心配することなくバクバク食べられるようにいっしょうけんめいに働くというモチベーションも悪くはありません。


でも


何かを楽しみに生きるのではなくて。生きること自体を楽しむ。


という考え方をしてみると、そこに基本を置くと


いままでと違う「道のり」が見えてきたりします。



さてさて


今晩、何を食べましょうか。


子どもたちの夕飯に何を並べましょうか。


めんどくさいことだからからこそ


おもしろいのでしょう。



何かを楽しみに生きるのではなくて。生きること自体を楽しむ。



そうじゃないと「MOTTAINAI」でしょ。

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