「てにをはのわからない」というフレーズを聞くことがあります。
もともとは、言葉、特に助詞の使い方がおかしいことを意味するのですが
そこからさらに、比喩的に
話のつじつまがあわない、話の前後関係、筋道が通っていないといった意味で使われるようになりました。
「わたしは、カリスマです。」というのと
「わたしが、カリスマです。」というのが違うというのは、日本人の私たちには理解できるところでしょう。
まぁ、自分のことをカリスマと言ってしまうことすら
「てにをはのわからない。」状況とも言えますが。
いや、そのもう一歩先に位置する「トンチンカン」レベルでしょう。
杉並区では、区議選挙戦がスタートしました。
東京都知事選ですら、あの騒々しい街宣車が自粛されていたのに
音の暴力を振りまきながら、街宣車が走り回っていたりします。
どんな判断基準や戦略でこのような行動を起こしているのか知る由もありませんが
必死なのと
「いまそれじゃないだろ。」っていうオーディエンスの肌感覚が察知できないのなら
区議になって、何をやろうというのでしょうか。
もちろん空気を読みすぎるのは良いことではないです。
しかし、できるだけたくさんの人たちの声を聞くことは、欠かすことのできない仕事のひとつです。
センスの無さを通り越して、それこそトンチンカンに感じることがあります。
その街宣車から垂れ流されている
立候補者本人ではなくて、通称ウグイス嬢さんが原稿を淡々と読み上げている
その内容です。
少し前のブログにも「放射能」「放射性物質」を売り文句にして、人を騙すような商売をしている人が存在していること(「エキセントリックに右往左往」 )を、下衆の極みと書きましたが
「反原発」というキーワードを
選挙戦の売り文句に使っている浅はかさに腹立たしさをおぼえます。
原発に反対するという意思表示は何ら問題がありません。
ただし、代替案の提示がなければ
ただの流行り言葉を意味も知らずに使っているアホか
先に出てきた「便乗悪徳商売」をしている輩(やから)と何も変わりが無いということです。
ぼくは、「環境ビジネス」というテーマでロシアでセミナーを開催させていただきましたので、省資源、省エネルギー、エコロジーという切り口での発電方法についての知識はあります。
原子力発電所を再生、または建設せずに
いまの日本において
どのように電力の確保をするのでしょうか。
リスク管理については、積極的に論議すべきだとは思います。
節電のあらゆる工夫は、日本人の得意とするところですし、それに伴う技術革新も(ビジネスチャンスも含めて)日進月歩でしょう。
大震災の起こった3月11日以前のエコロジーって何だったんだっていうくらい
東京の街は、いまエコロジーが実践されています。
しかし、それによって経済活動の一部が休眠状態になっていることも事実です。
「半原発」を声高に叫ぶのなら
代替案を提示しなさいと言っているのです。
ドイツでは風力発電で発電して余剰となった電力については、政府が一般の消費電力を買う金額(いわゆる電気料)の8倍の金額で買い上げてくれるシステムが確立しています。
ヨーロッパのフラットで広大な大地で農業を営んでいた農民のみなさんが農業をやめて、風力発電機を設置しているという現状があったりします。
日本の太陽光発電も余剰電力の買い上げをしています。
そのために必要となる蓄電装置を含めた太陽光発電のイニシャルコストをペイできるのは
現状のシステムでは、20年以上の年月を必要とします。
簡単に言うと、設備投資の費用が高くて、販売価格が安いということです。
電力会社の利権やなにやらがんじがらめになってしまっているこの国で、電力を買い上げるというシステムが劇的に変化できる様な土壌にもありません。
もちろん資源に限りのある石油や天然ガスに依存する火力発電に期待するわけにはいきません。火力は二酸化炭素の排出も伴います。
このような状況を理解をした上で
まだ「反原発」と言うのであれば
代替案を出しなさいと言っているのです。
防災は大切なことです。
首都圏東京では、重要な政策課題です。課題どころではないです。即、着手しなければならないことであって、プライオリティはトップとも言えます。
勘違いしてはいけないというか
ずるい使い方をして欲しくないのです。
危機的な状況において
防災と反原発が
あたかもイコールであるようなアピールの方法をすることは
まさに
「てにをはのわからない」ってことです。
杉並区議選挙だけのことではないでしょう。
代替案を出すこと。
名古屋を中心に
「減税」という切り口の地域政党が勢いを増しています。
いま、復興のために消費税の増税という提案がなされています。
「減税」を旗印にしている為政者のみなさん、なぜ黙っているのですか。
早く、必殺のカウンターパンチを具体的に繰り出してください。
いまこそ、その存在感をアピールして増税以外の特効薬を処方してみんなに配ることをしてください。
耳触りの良いことを言う人
当選するためだけの手段をチョイスする人
便乗商売をする人
トレンドの上澄みだけをすくい取るミーハー
この四つが
みんな同じ仲間にいるような気がするのは
悲しいことです。
現状の批判をすることは、ある意味簡単です。
残念なコンサルタントにもできることです。
解決策
そう、ソリューションという名の代替案を提示して
実践しなければ
それはただの評論家です。
自動販売機の稼働について街頭インタビューをしているのをテレビで観ました。
若い女の子が
「え~、飲みたい時に自販機無かったら困ります~。」って言ってました。
「ひとつになろう日本」の意味が伝わっているのでしょうか。
「だって、募金したじゃん。」
こんな風に
のど元過ぎれば熱さ忘れるがごとくに
すっかり終わった気になっている人がどんどん増えています。
冷静になること、自己完結させることと
今回の大災害からの復興は
意味が違います。
The danger past, and God forgotten.
被災された方々のことは大変だと思うし、心配だけど
我慢したりするのはイヤ。
もう、こんな雰囲気になりつつあるリアルを認識して
前向きな
代替案を
出すことをしていきませんか。
それこそ
為政者は
評論家ではないはずです。
いまあなたが絶叫しているのは
「てにをはのわからない」ことではないですか。
This is HASHIMOTO☆QUALITY