○カイヒガシ駅は○カイ市の中心に位置し、駅上に○カシマヤ、陸橋の向こうに○イエーがあり、下にバスロータリーがあった。○イエーの一番安い定食を食べてヨシズミに教えてもらったバスに乗った。着いた瞬間、そこが一般の病院でないことを感じた。反戦の祈りがガラス戸に覆われた壁に縦書きに刻まれていた。教えてもらった病室に行くとタマキは黒地にテディベア柄のパジャマを着て顔色悪く私Aを迎えてくれた。個室だったので「お金、かかる?」という意味の問をしたがK産党の病院なので相部屋と同価格とのことだった。「タマキさんの会社の机に箱が置かれ山のように書類が積み重なってます」と言ったら「それ聞いても全然嬉しくない…」と言われた。後で昼のニュースで知るのだがK 産党の議員が街中で暴行を受けて運び込まれた先がその病院だった。切迫早産なので刺激しないように、マサルが机に物をぶつけてしぶとい、と言ったことやキヨミが産休取得を否定するようなことを語っていることは言えなかった。コウジンのタンのことはその次のお見舞いのときである。しばらく世間話をして早々に病院を出た。雨が強く降った。傘を持ってなかった私Aはタクシーに乗った。タクシーの運転手は不機嫌で自分たちはいくら頑張っても人の上に立てない、と客(私)に向かって愚痴をこぼした。家につ くまでの一時間半私Aの胸は愛で充たされていた。タマキ、きっと守ってあげるからね。私は平和に過ぎた。やがて裏切られるとも知らずに…