4:クラウン・ピエロ(道化師)
ワタシがクラウンとして存在するのは、母の前だけだった。
父も兄も、ワタシがテンションを上げてみたところで、鼻で笑ってシカトするだけだったから。
母は、いつも父の事、父の親族の事、自分の親族の事、我が家の家計の事(借金でいっぱいいっぱいの生活でした・・・)で、いつも疲れていた。
ワタシが家の中で平常心でいられるのは、ひとりで過ごす時と母と2人でいるときだけだった。
だから、母の前では努めて明るく過ごした。
無駄におしゃべりだった。
母が笑ってくれる事が嬉しかったのかな。
家族4人で過ごす時には見せない笑顔を、私と2人の時に少しだけ見せてくれる母。
その笑顔を絶やしたくなくて、無理して頑張ってたんだ。
きこきこ