決して楽しむために来た旅ではない。
駅に着くと、過去が一気に蘇る。
昔私が暮らした街が、そこにあった。
時が流れ変わったものもたくさんあるけれど、不変なものも多かった。
これが楽しい旅、嬉しい旅だったらいいのにって何度も思った。
でも、そうではない現実がここにある。
気遣うべき私が、逆に気遣って貰っている。
心が痛い。
かけるべき言葉がひとつも見つからない。
いつもと変わらぬアホ話しか出来ない。
でも、そうでもしないと感情のコントロールが出来ない。
何年人間やってんだよ、ワタシ。
この先どれだけ生きていても、人の心を癒やす事が出来る人間になんて、私はなれないんだろう。
限りなく無力な自分が情けない。
きこきこ