親の愛情ってなんだろう?
自分が親になってから、このことについてよく考える。
私の両親は健在だけれども、親…特に父親からの愛情を感じたことは殆どない。
母は「愛情表現が下手」と言うけれど、子どもにとってはそれでは済まされないと思っている。
父のニオイ=煙草のニオイが大嫌いだった。
父の車に乗って遠出(と言っても、目的地は父の実家)をすると、必ず車酔いをした。
「お前はお父さんが嫌いなんだ」
そう言われ、自己否定された気がした。
でも実際、非喫煙者の母の車では車酔いをしたことがなかった。
だから父が言うことも、あながち間違いではなかったのだろう。
私が子どもの頃、父と遊んだ記憶が全くない。
当時父は単身赴任していて、土曜の夜~日曜の午後しか家にいなかった。
そして家にいる間、父はずっと寝ていた…ように思う。
だから私は、「週末にだけ来るおじさん」程度にしか思っていなかった。
そういえば、家族旅行の記憶もない。
母方の祖父母を交え、一度だけ旅行に行った…らしい。
写真が残っているものの、見ても記憶は蘇らない。
それ以外は、親戚宅へ行く以外、父と外出した記憶さえない。
大人になってから、小さい頃のことについて、父に一度だけ聞いたことがある。
「家族旅行に行ったことってないよね?」って。
返ってきた言葉は「仕方がないだろ!!生活が苦しかったことが分からないのか!!!」怒鳴られて終わりだった。
極めつけは、もの心ついてから母から聞かされた言葉。
母が私を妊娠中、陣痛が始まって病院へ行く時「女なんか産んだら承知しない」と言われたそうだ。
女なんかいらない…
やっぱり私を否定している。
そう思ったら、どうしても父を想う気持ちがなくなってしまった。
母もある意味被害者なのだろう。
父は今でいう、典型的なモラハラ夫。
この人が私の夫なら、間違いなく離婚している。
世間体、それから私たち子どものためにと、母はそれを留まった。
私にとっては「子どものため」という母からの押しつけ?が苦痛だった。
私は社会へ出る時、自立したいと思って一生ものの資格を取った。
母一人くらいなら養える自信があった。
だから、母に家を出るように何度も勧めた。
けれど今も母は同じ家に住んでいる。
口をついて出る言葉は、未だに父の愚痴である。
だからあの時「家を出ておいで!」って言ったのに。
堂々巡りだ。
3歳くらいの時に、父と二人で撮った写真が残っている。
二人で撮った写真はそれが最初で最後。
きっとこれから先も撮ることはないと思う。
でもその写真には、何故か茶色の細かい線がたくさんついていた。
「この線は何?」と聞く私に、
母は「お前が噛んで付けた傷だよ」と答えた。
その頃から父のことが好きではなかったんだね。私・・・
両親揃っていても、幸せと感じる家庭でなければ意味がないんだと思う。
私の子どもには、私のような思いをさせたくない。
愛情いっぱいに育てたい。
そう思っていたけれど、私が心を病んでから、それもうまくいっていないのかもしれない。
子どもたちは、私の愛情をどのように感じ取っているんだろう?
それも不安。
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