101年前のこの日英国放送協会BCCがラジオ放送開始!


BBCの思い出

私の訪れた1996年当時のBBCは、ロンドン郊外ホワイトシティーに広大なテレビセンターがあり、私はこの場所を訪ねた。

BBCは、この他にロンドン中心部に古い施設を二つ持っていた。一つは、「ブッシュハウス」と呼ばれていたところで、BBCWorld service(いわゆるラジオの国際放送)を出していた。そしてもうひとつが、「ブロードキャスティング ハウス」と呼ばれる建物。こちらは主に国内向けのラジオ放送を出していたところで、Oxford Street というWest Endの繁華街に近いところにあり、BBCの本部も、

ここに置かれていた。

   その歴史は古く、1922年まず民間会社として呱々の声を上げたBBCは、5年後の1927年に、国王の勅許に基づく、受信料を財源とする公共放送という、今の形になった。そして1932年には、エンパイアサービス(国際放送)を開始。193611 には、 世界初のテレビ放送も開始している。

文字通り老舗放送局である。


建物の中に一歩足を踏み入れた途端、私は、隅々までNHKと似ていることに驚いた。NHKとしては、常にお手本にして来たBBCだから当たり前である。NHKがBBCを真似たのだ。廊下に資料が積み上げられ、狭い廊下を局員が行き来する様子までNHKと近似しており、訪ねた部署を告げて受付で待つ時間の感じまでNHKと同じ空気である。アメリカのネットワーク局に比べ決して明るくない。

老舗によくある「暗さ」もあった。


  BBCの視察で最も注目されたのは、「ラジオ放送の優位」という考え方であった。私たちはホワイトシティのテレビセンターでBBCのテレビ放送中心に視察したが、話をしてくれた多くの人が「私はラジオ放送にいた。」とか、「ラジオ出身です。」と誇らしげに宣うことであった。どうやらBBCでは、ラジオ放送に携わることが大きなステータスになっているようだった。そう言えば、第二次大戦中も敵味方を問わず、BBCラジオが「真実を伝える放送」として世界中で聞かれていたことが知られているが、今もBBCラジの信頼性には定評がある。その後私は、沖縄局長を経てラジオセンター長になることになるが、このBBCのラジオ優位の考え方は、NHKのラジオ放送のトップとして多いに励まされたものである。


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