今朝の朝日新聞
「NHKは、地上波と衛星放送を視聴できる世帯が対象で受信契約の半数超を占める「衛星契約」の受信料を、来年10月にも1割程度値下げする方向で最終調整に入った。最高意思決定機関の経営委員会と詰めの調整を進めている。」
そもそもから
「受信料とはなにか?」
戦前は、無線電信法という当時の法律によって、電報や電話などの公衆電信や放送の運用・番組内容について規定し、放送事業を大日本帝国政府の一元的管理統制の下に置くと共に、ラジオ放送を社団法人日本放送協会に独占させ、管理統制していた。財源として聴取料を徴収していた。(国営放送)
戦後も聴取料の徴収は続けられたが、
GHQにより、放送制度の民主化が進められ、
民間企業による放送事業参入が認められるようになったと同時に、
日本放送協会は「特殊法人」に変わり、放送事業を行っていくことに。(国営放送から公共放送へ)
この際、政府や企業などの圧力に屈さないよう、いかなる組織にも依存する体制をなくす必要があるとのことから、
放送の視聴者よりその料金を徴収する「受信料制度」が誕生した。(財源の公共負担)
これが現在の受信料。
つまり
放送局にかかる「不法な圧力」から「言論報道の自由」を
守るため、視聴者の「財源負担」で運営しようという
考え方。
世界でも例を見ない制度(と僕は思う)
そして今
受信料は、沖縄を除き
口座 クレジット払いで 衛星契約が¥2230
地上契約が¥1260
このうち「衛星契約」を来年10月から一割値下げするということらしい。
この額が高いと考える人も、
妥当と考える人もいて、さまざまだ。
現在のNHKは受信料が唯一の財源(政見放送と国際放送以外)
であり、この財源で、放送番組の制作費や職員の人件費を
賄っている。それ以外に収入はない。
心配は
受信料値下げは、制作費や人件費の削減につながる可能性があるということ。
番組制作費や人件費が少なくなり
「現場の人間」の気持ちが「荒れる」ことだ。
NHKの職員の給与が巷間「高い」と言われることが多いが、
元職員の実感としては決してそんなことはない。
特に同業他社(民放)と比べれば、いまだに格段に低いのだ。
若い頃我々職員は、せめて同業他社との格差を縮めてほしいといつも考えていたし、労働組合の要求にも、そうした文言が入ったこともあった。
これは未だに叶えられていない。
スポンサーからの収入による民放と
公共負担の受信料という「財源の差」もあり、
難しいのだろうと思う。
そして「番組制作費」
これについても「NHKは多額の制作費を使っている。」
といわれているが、
民放のように、ほとんどの番組を、下請けプロに安い費用で作らせるという手法を用いるわけにもいかないから、
それほど安く上げることは不可能である。
それでも我が後輩たちは、現場でできる限りの「努力」をして「効率化」に取り組んでいる。
例えば
高くつく海外出張でも
今やアメリカ二泊三日ロケなんか当たり前らしい⁉️
二日かかるロケを一日でやり、一週間かかる編集も2、3日で上げるような状況が平気になっている。
「働き方改革」の名の下に、
労働時間を縮めて仕事の集約化も同時にすすめられている。
すでにかなり「荒れた」現場になっているかもしれない。
そのせいにしたくないが、先日来の「過労死」頻発も
こうした背景もあるという人もいる。
視聴者の皆さんも、、NHKの経営も
こうした現状を、しっかり踏まえて
「値下げ」に踏み切ってもらいたい。
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