尚 弘子先生
日本の「栄養学」の権威。現在琉球大学名誉教授。最後の琉球王国国王尚順氏の子供、故尚詮氏の奥様。つまり世が世であれば、琉球王国の皇后さまである。私が沖縄の局長になれたのは、元ＮＨＫ経営委員である尚先生が、
「沖縄出身者より、ＮＨＫの総合テレビで活躍するキャスターのような方を局長に！」と海老沢会長に進言されたことが大きな背景となっている。すでに80歳代になられたとは思えない若さは、今もジムで水泳をされるなど「アンチエイジング」を欠かされないことが大きい。若い頃アメリカへ留学されて鍛えられた英語力と視野の広さは今も沖縄にとって貴重な存在で、「OIST 沖縄科学技術大学院大学」の運営委員として「現役」を貫かれている。私の沖縄局長時代の最大のブレーンで、失礼ながら今も私の「沖縄の母」的存在である。沖縄放送局応援団「チバリヨーの会」の創設にあたり会長に就任していただき、今も現職のままであるが、創設当時も今も尚先生以外に適任者はいないと思う。
私が仕事でも遊びでも沖縄に行けば、先生は必ず食事会に駆けつけていただくのは嬉しい限り。先生がNHK学園の評議員として会議に出席されるため上京される際は、先生にお世話になったかつての沖縄勤務者が集まり、「尚先生を囲む会」をすることが私たち「尚先生の教え子」の最大の喜びである。2012年の沖縄復帰記念の、ＮＨＫ交響楽団演奏会も尚先生が先頭をきって推進していただいた。先生も80歳を超えられ、多くの役職を辞退された。上京されることもすくなくなり、私たち尚弘子先生を囲む会のメンバーも寂しい。