『バリー・シール:アメリカをはめた男』 | 英語講師土岐田健太の「教養」から学ぶ英語の授業〜出版・映像授業編〜

英語講師土岐田健太の「教養」から学ぶ英語の授業〜出版・映像授業編〜

全国の社会人、大学生、受験生対象に「英語の教養・文化から学ぶ英語」の授業をしています。映像授業・出版中心生活へ。映像コンテンツ、本の執筆、講演
、講義などを通して「自力で学問をするための英語」、「将来どこでも通用する英語」を伝えていきます。

僕は受験生の頃、勉強の合間にたまーにですがご褒美で映画に行っていました。大きい声でオススメできたことではないですが、今でも息抜きで行くと新しいヒントや発想が得られます。受験生の時はリスニングの総演習のつもりで、ディクテーションに挑戦してみたのも良い想い出です。(全然できなかったです)。映画のリスニングは最高難度、TOEICリスニング満点は余裕という人も映画は相当キツイはずなのです。

タイトルはトム・クルーズ主演の映画で、字幕翻訳は戸田奈津子さんです。この映画に関しては、ノンネイティブとのやりとりが多く、わりと犯罪に関する語彙が多くて(つまり、学習にはあまり好ましくはない)、英字新聞や推理小説を読み慣れた人ならわかりやすい部類かなと思います。僕も聞き取りというよりは、アメリカ史や大統領の知識など、背景知識でわかっちゃうケースが多く、聞き取りも音の要素だけではないなあと実感させる映画です。

この映画の中では、covertという単語が一つのキーワードになっています。「機密の」という意味です。英検準一級レベルから一級レベルの単語です。overt「公然の」と対照的な単語です。covertは映画のどこかで登場するハイレベルな単語です。

アメリカの最大の機密情報を握り、CIAの活動にも関わった人物として主人公のバリー・シールは捕まっても保釈され、さらに難易度の高いミッションを繰り返します。途中「イーサン!?」と思いましたが、それは別の映画ですね。『ミッション・インポッシブル』!?と思いながら観てしまうのは、僕の勝手なトム・クルーズのイメージが原因かもしれないです。

主人公がお金にまみれて、「何が目的か見えなくなる」描写は現代社会へ警鐘を鳴らしているように思います。一方、家族想いな側面も描かれ、お金以上に大切な絆とは何かも考えさせられました。

CNN EE11月号で戸田奈津子さんのインタビューを読み、興味を持って観に行った映画です。戸田さんのインタビューは仕事に対するプロ意識や若い人に対するアドバイスがあり、ぜひ読んで欲しい記事です。

戸田奈津子さんは僕が小学生の頃はじめて知った字幕翻訳者というお仕事をされている方でした。

トム・クルーズ来日の時は傍で通訳者をされていることは、今の受験生は知らないかもです。

僕の受験生の頃から第一線の翻訳者です。当時も「戸田奈津子」今でも「戸田奈津子」の文字がみられて、なんとも凄まじいなと思うばかりです。