昨日、弟が高校を卒業し、卒業アルバムを持って帰ってきた。


高校生、という時間。

かつて私がいた時間。

でも

あの時間とあの時間の中にいた私たちはもうどこにもなくていない。


でもそれは、この一瞬だって同じこと。

だから大したことじゃない。


私の心を突いたのは、あの頃私たちが話していたこと、だ。


妄想は馬鹿みたいに膨らんでゆき

不安は不安のままで抱えていた。

ささいなことが大事件で

何事も、気にし始めたら止まらなかった。


今の私が話していることは、何。

しゃらくさいったらありゃしない。



どこに行こう何をしよう

きれいかっこいいおもしろい


愚痴や不満の代わりに

そんな言葉を口走っていたい。


私たちが話していたことは、無知な思春期の一時的な夢ではなかった。

大切な、今とこれからの現実の話だったんだ。