しばらく病院から連絡のない日が続きました。
連絡がないのは、悪くなっていない証拠…
そう言い聞かせて、自分を奮い立たせていました。
でも…人工呼吸器装着5日目の午前中。
とうとう病院から連絡が来てしまいました。
また悪い連絡だったらどうしよう…
スマホを取る手が震えます。
「ご主人ですが、酸素量90%を送ってようやく保っている状態です。」
「これ以上の酸素を送ってしまうと、肺に負担がかかってしまいます。」
「ECMOという人工心肺に切り替えます」
あぁ、とうとう来る所まで来てしまった…
ECMOの事は、志村けんさんが装着したことで知っていました。
コロナ重傷者の、最後の砦。
そのECMOに頼らなければならない、そしてICUに入るという連絡でした。
このECMOで回復が見られなければ、パパは間違いなく死ぬ。
まさに、最後の手段。
スマホを持ったまま、呆然とするしかありませんでした。
【つづく】