またまた前職時代の今から10年以上前の話。
当時、私のいた会社は銀の○○という宅配寿司が全国展開していく際のパートナーでした。
今や宅配寿司チェーンでは全国1位のブランドです。
仕事は主に店長・アルバイトの研修や自らが店長となり、店舗を構築していくのがメインでしたが、最初はマニュアルもなく、各自がそれぞれの店舗で試行錯誤した事をメールで情報共有し、ブランドを作っていった感じです。
私は初期メンバーで他業種での店長経験もあったのでフランチャイズ1号店の支援を担当させて頂きました。
そこで出会った高校2年生の女の子の話です。
勉強にもクラブにも力は入れてなく、バイト経験も初めてという彼女。
最初は大人しい感じでしたが、素直な子でした。
宅配寿司の内勤でメインの仕事はお寿司を作る事(メイク)、電話応対の2つ。
最初はたどたどしかった電話対応も徐々によくなり、女の子ならではのソフトな対応になり、店一番の対応をするようになりました。
褒められて嬉しかったのでしょう。
彼女の対応は更に磨きがかかり、メイクにも頑張って取り組んでいました。
途中で彼女の親友(回転寿司でバイト経験者)も入り、その子に負けじと頑張っていました。
バイトにくる事が本当に楽しそうで、見ていて微笑ましく感じていました。
きっと、自分の居場所を見つけられた、そんな感じでした。
ただ、経験の差があり、メイクスピードで彼女は親友にどうしても勝てずにいました。
オープンから店は絶好調で土日のピーク時にはてんやわんやしていたが、確実に店舗レベルは上がっていました。
最初は僕がお店を回すような感じでしたが、慣れてきた時には店長はじめ、スタッフメインで仕事をしてもらうようになります。
適材適所を考えてメイクはスピードの早い4人が選ばれ、彼女は電話対応がメインとなりました。
驚いた事に彼女がボロボロと涙をこぼします
![あせる](https://stat.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/029.gif)
理由を聞くと、メイクのメンバーに選ばれなかった事が悔しかったから。
それを聞いて、僕はとっても嬉しかったです。
ただお金の為に働いている人って、残念ながら世の中には沢山います。
『どうせ、バイトやし・・・』
と自ら口にする子、店長も沢山います。
でも、悔しくて涙を流すアルバイトの子もいます。
立場とか年齢とか関係ない。
あるのは意識の違いだけ。
多分、その時彼女は自分がバイトとかそんな事は思っていないはず。
店の一員として、お店の戦力として活躍したい!という一心だったと思います、
自分の成長が嬉しくて、お店で自分の居場所をみつけ頑張ってこれた事。
でも、それが叶わなかった悔しさ。
色んな感情を味わった事でしょう。
もちろん、彼女には電話対応の良さを買って、その役目に抜擢した事を伝え、その後、他のスタッフの電話対応の指導にもあたってもらうなど彼女の能力を存分に発揮してもらいました。
その後も彼女は、親友と楽しく競い合いながら、メイクスキルも向上させていました。
自分がその店の経営者だったら、絶対こんなスタッフにお店にいて欲しいと思います。
彼女だけでなく、その店は他にも良いメンバーが多く集まり、お互いが成長を支えており、環境もとても良かった。
彼女が違う職場で就職した時も同じ思いを持ち続けたら、その分野でも活躍できる気がします。
その後、僕ら支援部隊が去った後も店は繁盛を続け、全国の店舗が集まるフォーラムでは優秀店舗として表彰されていて、彼女もお店の中核として頑張っていた。
そういえば、このお店の後に支援した店舗もこのフォーラムで最優秀店舗賞を受賞していた。
前述の店舗同様、この店舗も良いメンバーが揃っていて、オーナーが良く現場に顔を出し、アルバイトを連れて食事会や差し入れしてくれるなど、従業員を大切にされていた。
我々支援部隊が去る時には送別会までして頂き、温かい気持ちと名残り惜しい気持ちでいっぱいだった。
ここで働けて、このメンバーと出会えて良かったと思う。
成功店舗には共通した空気があります。
表彰式での彼らの輝かしい成長した姿を見ると凄く嬉しくて、自分が少しでも関われた事が嬉しかった。
こうして振り返ると、自分も結構いい仕事してきたんだなと思える。
今の仕事も、成長やその人の人生に直結する仕事。
自分の影響力をよく考え、生徒さんたちに接する事。
常に初心に戻り、生徒さんに通ってきてもらっている事、アルバイトさんに働いてもらっている事、周りでお世話になっている方々への感謝を忘れず、頑張っていきます!