ちょっと思ったことの補足
昨日書いた事を、少し補足します。
一応、これまで何人かの部下や後輩を指導して来た中で、最も困難な作業が「人としての常識」を教える事であるということは、前述した通りであります。
では、反対に最も簡単な事は、実は「成果を挙げさせる事」です。
恐らくこれは、自分の就いている「営業」の仕事だけではない筈です。
手法は至って簡単。
人間の欲望を刺激する事です。
人間の欲望という部分は、人間にとって最も敏感な部分です。
現在の資本主義社会では大小の差や時間の差はあれど、成果を挙げれば自ずと見返りが返ってきます。
ですからこれを「餌」にすれば、簡単な話なのです。
その事を理論的且つ具体的に説明し、後は山本五十六の格言にあるように「やってみせ、言ってきかせて、させてみせ、誉めてやらねば人は動かじ」を念頭に指導するだけです。
そして成果を挙げたら、徹底的に達成感を植え付けます。
そうすれば人間は、簡単に成果を挙げる様になります。
ここまでに要する時間は、凡そ3ヶ月です。
少し大雑把ではありますが、余り詳しく書く事ではないのでこの辺でやめておきます。
ですがこの手法、このままでは前述した様に、見返りが無いとなった瞬間、一気に崩壊します。
成果と見返りの大きさに、「人間性」が付いていかないからです。
ですから、「人間としての在り方」も、平行して指導しなければなりません。
そしてそれが旨く良く試しがありません。
何故ならば、それが「人格否定」に繋がるからです。
簡単に言えば、成果を出すという事は、旨く立ち回るという事なのですが、これが文字通り旨く立ち回るだけだと、周りの人が付いて来ませんし、お客様にも迷惑を掛けます。
ですからそれを昏々と説明するのですが、まず聞く耳を持ちません。
今までそれで、少なくとも20年近くは生きてきている為、「必要性」を感じないのです。もっというならば、会社には仕事をして給料を貰いに来ているのであって、人間性をとやかく言われる場所では無いと思うからです。
この「人間性」というものは、短期間で身に付けられるものではありません。
長い年月と、人の優しさに因って培われるものです。
「人の優しさ」を感じる時は、そうそうあるものではありません。
「人の優しさ」を最も感じる瞬間、それは「許す」という行為を受けた時だと思うのです。
この競争社会で成果主義が罷り通っている世の中で、せめて家族くらいは許してあげられないものかと、先日、思った訳です。
子供が悪さしたら、叱ると共に許してあげる。
子供が何か出来たら、その成果を他人と比べる事なく褒めてあげる。
そしてその事の素晴らしさを伝え、子供が友人や恋人、果ては赤の他人にも出来るようになったら・・・・・。
多分、この事が伝えられたら、子供はきっと素直な、そして人の話を聞ける人になっているのではないでしょうか。
この事さえ身に付いていれば、後は社会に出てから学べば良いのではないでしょうか。
子供のいない自分が無責任な事を言って恐縮ですが、自分ならこんな子が部下や後輩で入社してきたら、きっと可愛がると思います。
以上、個人的な見解を長々と綴り、申し訳ありませんでした。
ちょっと思ったこと
今日っていうか、もう昨日なんだけど、夕方過ぎにファミレスに夕食を食べにいったんです。
一人で寂しく・・・・。
まぁ、それ自体は何時もの事ですので、良いんですけど、隣に居た家族で来てた人達。
まぁ、何時もの事と言えば何時もの事なのですが、ちょっと聞き逃せない発言がありました。
親が子供を怒ってる光景。
皆さんもファミレスで良く見掛けると思うんです。
正直、自分としてはちょっと不快です。
だって、彼等だけの場所じゃないし、それに怒られる子供も可愛そう。
何も公衆の面前で叱る事はないと思うのです。
でも、何時もは不快ながらも気にしないようにしているんですが、この発言だけは聞き逃せませんでした。
「求めるだけじゃなくて、ちゃんと成果をだしてよ!」
母親が結構大きな声で言ってました。
ちなみに言われていた子供、どう見ても小学生でした。
いや、何があったかは知りませんよ。
でも、凡そは察しが付きますよね?
小学生に言う言葉なのだろうか。もう少し言葉を選べないのだろうか。それでその子は成果をだすのだろうか。出したとしても、その子の人格形成は大丈夫なのだろうか。
他人事なのですが、心配になります。
自分もいい年なので、これまで何人か部下や後輩を指導してきました。
その中で一番難しいのが、「人としての常識」を教える事。
自分は営業職に就いています。
この「営業」という仕事が社会的に成立する絶対条件は、「約束を守る事」です。
究極の事を言ってしまえば、約束を守らない営業は「詐欺師」でしかないと思うのです。それはお客様だけにではなく、会社や取引先にも同じ事です。
確かに世の中は、「成果主義」の風潮が流れています。
ですがそれが今、どういう事態を引起しているか、皆さんご存知ですよね?
敢えてそれは書きませんが、世の中、特に日本という国には合わないと思うのです。
自分も10年程、営業職に就いているので、甘い事を言う積もりは毛頭ないのですが、家庭に於いて、更に言うならば子供の教育に於いて成果主義的な発言は控えるべきだと思うのです。
成果に対して報酬を得るという事は、裏を返せば報酬がなければ行動しないという事に繋がりやすいのです。
実際、そういう人を沢山見かけます。
そもそも成果というものは、一部の例外を除いて一人で出せる物では無い筈です。
この事を大前提に教育を考えなければ、歪な人間を形成してしまうのではないでしょうか。
人間という生き物は、非常に利己的な生き物です。
ましてや人格形成の出来ていない子供に、ギブ&テイクをベースに指導するなど、最も大切な「道徳」というものを忘れているのではないでしょうか。
まぁ、子供の居ない自分に、彼等も言われたくないでしょうから知らない振りを致しましたが、最近、何か間違ってませんか?
あの子が真直ぐ育ちますように。
King of 外道 第二位 完結編のつづき
完結編のつづきです。(つっこまないでください)
S兄弟との交渉結果を伝えに、M・K君のところに行きました。
M・K君のところには、M・K君の彼女もいました。
もう同棲しているとのこと。
そしてびっくりしたのが彼女のおなか。
「でか!」と思わず言ってしまいました。
聞けば出産予定が一月半後だそうです。
きっとM・K君も、自分のところに来るまでに、相当悩んだであろうことが伺えました。
結果を伝えるとM・K君、「ありがとう」の前に、
「金ねーよ。」と一言。
っときましたがそこは抑えて、
自分「誠意って言ってんだから、とりあえず誠一杯払ったら?」
M・K君「だから全然ないんだよ!じゃなきゃお前に頼まねーよ!」
と、逆切れ。
さすがに半殺しにしてやろうと思いましたが、そこも堪えます。
恐らくだいぶ追い込まれていたんでしょう。
確かにS兄弟からかかるプレッシャーは相当なものです。
つい先程、自分もそれは味わってきましたから良く分かります。
それに彼女の前ですから、格好を付けたかったのかもしれません。
色々と話し合いましたが、結局「金がない」という事で解決しません。
隣でM・K君の彼女が泣きはじめました。
「泣かれても困るんだよ」と心の中で呟きましたが、M・K君の要請を引き受けてしまった手前、自分もある決心をします。
自分「わかったよ、オレが金貸すよ。25万しか貸せないけど、何とかそれで話してこいよ。それはオレ行かないからな。」
そう言うとM・K君と彼女に、泣いて感謝されました。
当時の自分にとって25万のお金は大金です。(今でもそうですが)
「失敗したかな」と頭を過ぎりましたが、泣きじゃくる彼等を見ていると、それも直ぐに消え去りました。
これでM・K君も新たな人生を踏み出せると思えば25万円は安い買い物だ、それに貸しただけであげた訳じゃないんだから、と自分に言い聞かせました。
今考えれば、自分に少し酔っていたのでしょう。
それから3ヶ月、自分とM・K君は同じ職場で働きました。
M・K君は昼の稼ぎではやっていけないと、自分と再会する前にバイトしていたキャバクラでボーイのバイトも掛持ちで頑張っていました。
その間、バイト先の女の子と出来てしまったり、奥さんと少し揉めたりと、多少のトラブルは存在しました。
ですが昼夜働くM・K君は、昼の仕事を遅刻する事もありましたが、なんとかこなしていました。
そしてある休み明けの日、突然、昼の職場を無断欠勤します。
何度電話しても出ません。奥さん(彼女)も出ません。
自分だけでなく、会社の人達も心配してくれました。
どうしたんだ、なにかあったのかと侃々諤々やっていると、社長がふともらしたのです。
「〇〇(本名)、実はS(兄弟)からよく会社に電話が掛かってくるんだ。」
S兄弟は地元の有名人です。そしてそれは、自分の勤める業界でもそうでしたので、社長も知っていました。
S兄弟と自分とM・K君の関係は社長も知っています。
自分「どういう用件で掛かって来るんですか?」
社長「誠意がなってねぇだの、金返せだの怒鳴ってんだよ。オレに立て替えろとまで言うんだ。お前たちが真面目に働いてるから黙ってたんだけど、M・Kの奴払ってないのか?」
自分「いや、そんなことはないと思います。」
M・K君に自分がお金を貸していることだけは伏せてありました。
社長「あんまりしつこいようなら何とかしようと思ってたんだけどな。」
社長は地元でこの業界の組合長で、地元の塗装会社の社長は、殆ど先代社長の弟子です。その為S兄弟も、あまり強く出ると昼間のお仕事に差し支えが出ると思ったのでしょう。電話で騒ぐ意外のことはしなかったので、社長も放って置いたようなのです。
いやな予感がしました。
S兄弟が強行手段に訴えたのでは・・・・・。
兎に角、その日の仕事があるので、仕事が終わったら自分がM・K君の家に様子を見に行くことにしました。
仕事が終わってM・K君の家に行くと、何事も無かったように奥さんが玄関から出て来ました。
自分「どうしたの?朝、何回も電話したんだけど、M・Kは?」
奥さん「・・・・・昨日から帰ってきてないの。」
そう言った奥さんは、すごく悲しそうでした。
自分「昨日、M・Kバイト?」
奥さん「・・・うん。」
とりあえずM・K君が心配なので、M・K君の家を離れて心当たりを探すことにしました。
バイト先のキャバクラに行くと定休日らしく閉まっており、行き付けの飲み屋にもいません。
共通の友人にも連絡しましたが、いないとのこと。
M・K君の実家にも連絡しました。ですがいません。
あとはやはりS兄弟のところか・・・と思った瞬間、何か違和感がありました。
M・Kが昨日から帰って来てないのに、奥さんはS兄弟にさらわれたとは思わなかったのか?
普通、これまでの成り行きから考えれば、それは必ず頭に過ぎるはずじゃないのか?
「おかしい。」
そう思いました。
さっきは奥さんが朝電話に出なかったのは、自分に対する引け目と思い追求しなかったけど、だったら言い訳の一つもするんじゃないか?
もしかしたら友人が匿っているのか?
いや、それは自分と友人の関係からして考えにくい。
そもそも匿う理由は無いはずだ。
たかだか無断欠勤を一回しただけなのだから、理由を知れば友人達なら、恐らく自分とM・Kの仲を取り持つだろう。
それにM・KがS兄弟との関係を切った以上、これまで探した場所以外に行くことは、金銭的にも難しいはずだ。
「家にいるな。」
何故だか分かりませんが、この時点で殆ど確信していました。
何だか頭に血が昇って来ました。
「夫婦でオレをたぶらかしたのか。」
車を飛ばして急いでM・K君の家に行き、チャイムを連打しました。
奥さんが慌てて出てきます。
自分「いるんだろ?」
奥さん「えっ、いないよ。」
明らかに態度が不自然です。
自分「悪いけど上がらして貰うわ。」
そういって強引に入ろうとする自分を、奥さんが必死に食い止めようとします。
奥さん「怒られるから、お願いだから!」
この言葉が自分に更に火を付けました。
自分「M・K!いるんだろうが!」
自分が怒鳴り声を上げても、M・K君は出て来ません。
奥さんの制止を振り切って家に上がり込みます。
玄関を抜けるとリビングがあり、そこにはM・K君の子供がぽつり。
リビングの先には二つ部屋があり、一つは引き戸が開いており、もう一つは開き戸が閉まっていました。
すかさず開き戸を自分開けます。
するとそこには想像だにしなかった光景があり、思わず絶句いたしました。
あのキャバクラの女の子とM・K君が寄り添っていました。
一応、確認の為に書きますが、ここはM・K君と奥さんと子供が三人で暮らす家です。
キャバクラの女の子とは、自分は一度会っていました。
M・K君のバイト先に一度飲みに行き、その時にM・K君が自慢げに自分に紹介していました。
その態度は鼻につきましたが、この時自分は既に色々な恋愛の修羅場を見て来ていたので、「ばれないようにやれよ」、とM・K君に言っただけで、特に関心を示しませんでした。
そしてM・K君の自分への第一声。
「よっ!」
この言葉聞いた瞬間、自分の中で何かが弾ける音が聞こえました。
ですがそれを直ぐに自己修復。
「女の前だ。それに奥さんと子供もいる。我慢しろ!」
自分を必死に抑えます。
とりあえずM・K君をリビングに呼び、事情を聞くことにしました。
自分「何なの、このシチュエーションは?」
M・K君「でへっ。」
このM・K君のふざけた態度に流石に我慢出来ず、遂にリビングのテーブルをひっくり返して立ち上がります。
ここまできてやっと自分の怒りを理解したのか、M・K君、今度はひたすら謝り始めました。
その情けない姿から察するに、恐らく言い訳も思いつかず、かといって愛人や奥さんの手前格好の悪いところも見せたくない為、笑って誤魔化そうとしていたのでしょう。
仕方なく話しを進めると、この状況の事情は以下の通りです。
愛人の子が家出してきて、M・K君を頼って来た。だけど金銭的に何処にも行けず、この家に連れて来た。愛人の滞在期間は3日目で、一人家に置いていく訳にいかないので、仕事をさぼったとのこと。
自分には全く理解出来ない理由でしたが、M・K君の主張はこのようなものでした。
とにかく、愛人の子がこの家に存在することはどう考えてもおかしいので、M・K君にその子を家に送らせました。
そしてM・K君がいない間に奥さんと会談。
自分「どういうことなの?」
奥さん「わかんない。」
自分「わかんないじゃなくて、愛人が家にいるって、我慢出来るの?」
奥さん「出来る訳ないじゃん!」
自分「だったら入れなきゃいいだろ!」
つられてつい怒鳴ってしまうと、奥さんの目に涙が・・・。
奥さん「あの二人この家にいるだけじゃないんだから!隣でやることしっかりやってるんだよ!居ていいなんて思う訳ないでしょ!」
絶句してしまいました。これは本当に現実なのか?とまで思いました。
自分「だったら余計、家にいれなきゃいいじゃん。」
そう自分が呟くように言うと、奥さんがいきなり上着を脱ぎ始めました。
「なんだおい!M・Kが愛人連れ込んだ腹癒せに、お前はオレとやろうってのか!」
などと馬鹿な考えも浮かぶ暇もなく、再び絶句。
奥さんの体、痣だらけでした。
自分「M・Kがやったの?」
涙ながらに奥さんが頷きます。
考えられませんでした。
彼とは前述した通り、中学時代からの親友です。
馬鹿な男ではありますが、人一倍熱い心の持ち主であったはず。女性に手を上げるなんて信じられませんでした。それも思わず手が出たというレベルではありません。自分が初めて見た「DV」の衝撃は、自分の中のM・K君のイメージを、破壊するに十分でした。
自分「とりあえずオレが愛人とは別れさせる。」
自分がそう言うと、奥さんは更に激しく涙を流しました。
自分「こんな時に何だけど、S兄弟にM・Kは金払ったの?会社にS兄弟から、何度も電話来てるみたいなんだけど。」
奥さん「・・・・・・たぶん、払ってないと思う。」
奥さんが涙を拭いながら、呟くように言います。
自分「そんなに生活苦しかったの?」
訊ねながら自分は不思議に思いました。M・K君は自分と同じ職場で、遅刻しながらも毎日働いていました。決して多い給料ではなかったものの、生活が出来ない程ではありません。ましてやM・K君は夜もバイトをしていました。その収入で生活出来ないとなれば、S兄弟以外にも借金があったとしか考えられませんでした。
奥さん「〇〇君(本名)、怒らないで聞いてくれる?」
正直、これ以上怒る出来事が起こるとは思えなかったので、素直に頷きました。
奥さん「私もはっきりとは分からないんだけど・・・・。」
奥さんがそう言った瞬間、自分はM・K君が愛人との交友に使ったと思ったのですが、奥さんの口からでた言葉は、自分の予想を遥かに超えていました。
奥さん「実は彼のバックから、領収書が出てきたの。」
自分「何の領収書?」
奥さん「・・・・・・・・産婦人科の。」
怒りを通り越し、呆れてものが言えなくなり、そしてそれを一周して我を忘れました。
その後帰ってきたM・K君に、死刑執行の判決を下し、即日執行を行ったのは言うまでもありません。
自分の貸した25万円は、愛人の堕胎手術の費用にあてがわれたのです。
それ以来、M・K君とは会っていません。そして当然の如くお金も返ってきません。
風の噂で、M・K君がS兄弟にさらわれたなどの話も聞きましたが、特に興味を覚えませんでした。
M・K君は自分に、
「人間は如何に利己的な生き物であるか」という事と、「殺人はこうした時に起こる」という事を、教えてくれました。
以上で「King of 外道 第二位」を終了させていただきます。
そして次回かどうかは分かりませんが、引き続き、「King of 外道 第一位」を書かせていただきたいと思います。
長々と文章を綴らせてしまい、お付き合い頂いた皆様、ありがとうございました。